著者
岡本 牧子 新垣 学 小野寺 清光 飯塚 悟 宮里 大八
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.19-22, 2021

<p>琉球大学地域協働プロジェクト推進事業「ITワークショップを通じた産学連携教育モデルの構築」の活動の一つとして,コロナ禍における県内でのプログラミング教育の実施に向け,オンライン環境でのプログラミング教育ができる教員養成,大学生メンター養成を目的とし,教員志望学生によるzoomとmicro:bitを用いたプログラミングワークショップを実施した.オンライン学習では,過渡期においてはzoomなどオンラインツールの操作方法の習得も重要であるが,授業の流れと参加者の現在地を俯瞰させることができる紙テキストの活用能力,参加者の回路や作業が確認できる教材開発能力,参加者のレベルを把握し,レベルに応じたブレイクアウトルームの活用能力が指導者の能力として重要であり,これらの能力は,教員志望学生のチームによる数回のワークショップ運営を通して身につけさせることができる.</p>
著者
吉田 安規良 岡本 牧子 江藤 真生子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.33-38, 2020

<p>「一人一台端末」という教育ICT環境を活用できる教員の養成には,教職志望学生のICT活用能力の実態を様々な観点から知る必要がある.そこで,休校中の遠隔授業を想定して,中学・高等学校理科教員志望学生34人の教材探索力を把握した.8割の学生が,学校の授業で一般的に行われる授業者による説明を代替できる動画を含むコンテンツを提示した.ICTを活用したモデル実験や家庭学習では実施が相当困難な実験観察の代替を意図した解答が10人から寄せられた.「教員のICT活用指導力チェックリスト」と照合した結果,学生は,動画や映像などを利用して児童生徒の理解へつなげること,知識の定着や技能の習熟をねらった個別最適化学習,児童生徒が自ら当該コンテンツにアクセスできるような指導,他単元や他教科など全体を通した活用を想定できていたが,児童生徒がコンピュータを使ってアウトプットすることは想定していないことが推察できた.</p>
著者
岡本 牧子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.81-86, 2020

<p>日本の手漉き和紙技術は,ユネスコの無形文化遺産に登録されるなど世界に発信できる日本独自の文化である.特に南西諸島及び台湾に生息するアオガンピ(青雁皮)を原料とする琉球紙の製造技術は,沖縄県独自のテーマとして特色のある教材となるが,原料の調達が困難なため持続可能な教材として未だに確立していない.本研究では,学校現場での原料調達を可能にするべく,中学校技術科の生物育成分野の学習教材として取り扱えるよう,アオガンピの栽培方法やコスト,学習指導計画等を提案し,沖縄県独自の和紙製造技術を教材化することを目的としている.本論文では,アオガンピの栽培方法について専門用語をなるべく使用せず,学校現場でも準備可能な道具や方法についてまとめたので報告する.</p>
著者
岡本 牧子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.37-40, 2019

<p>本研究では中学校理科第1分野の光学の学習に着目し,光を利用して密度分布を伴う空間を可視化するシュリーレン法を教材化することで,光学分野の苦手意識を少しでも克服し,普段見えないものを工夫して観察するという面白さを生徒達に感じてもらう事を目的としている.本論文では,生井と松尾らによる著書よりシュリーレン法の原理について確認し,市販の文房具を用いることにより学校現場で使用できるよう教材への応用を試みた.可視化対象をろうそくによる炎上方の上昇気流とした場合,定性的な気流の可視化には十分な精度を得ることができた.また本教材の中学3年生による使用感などを調査した結果,中学生が操作するのに十分な簡略さを備え,光学分野で習う凸レンズの学習への興味・関心を引き出せることがわかった.教材の有効性を確かめるためには,可視化対象,光線の作図能力の定着,STEM教科間で連携した指導内容や効果を調査する必要がある.</p>