- 著者
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岡本 雅享
- 出版者
- 福岡県立大学
- 雑誌
- 福岡県立大学人間社会学部紀要 (ISSN:13490230)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, no.2, pp.11-31, 2009-01-08
筆者は拙稿「日本における民族の創造」(大阪経済法科大学『アジア太平洋レビュー』第5号、2008年9月)で、1880年代末の日本で「民族」という言葉・概念が生じてから、どのよう に民族が創造されてきたかを、大和民族(1888年初出)と出雲民族(1896年初出)を対比しながら検証した。本稿では民族の三要素(歴史・文化、言語、宗教)の中で、日本の中ではより単一だと思われがちな言語に焦点をあてて、単一・同質だといわれるものの内部から、その幻想を解体してみたいと思う。