著者
長谷川 浩之 笠置 剛 岡林 繁 和氣 典二
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.J286-J291, 2015 (Released:2015-09-25)
参考文献数
14

前景のオブジェクト上に直接表示像を表示する自動車用AR表示装置は,他の自動車用表示装置と比べて非常に優れた認識応答性を示すことが明らかになっている.AR表示装置の優位性は,視線移動量,視距離調節量,前景エリアと表示装置のエリアの画角差による照合負荷が関わっているとされている.しかしながら,先行研究では,それら要因が詳細に解析できないため,どの条件がどの程度認識応答性に影響を及ぼすかが明確に示されておらず,さらに実際の自動車環境を想定した視野範囲におけるAR表示装置の優位性も検証されていない.本研究では,視野範囲や俯角,視距離の設定など,より詳細に解析するための条件を整えてAR表示装置を比較評価し,視覚情報受容のモデルを考察した.
著者
岡林 繁 古川 政光 畑田 豊彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.714-721, 1993-05-20
被引用文献数
5 1

航空機用表示装置として登場したヘッドアップディスプレイは, 自動車にも応用され始めてきた.航空機用へッドアップディスプレイに関する研究では, ヘッドアップディスプレイの表示像情報の認識・受容における優位性は, パイロットの目の焦点調節量と視線移動量が低減されるためといわれている.本論文では自動車の視覚環境を考え, 周辺視による表示像情報の認識・受容に着目し, 2つの実験を行った.まず, 走行時の視覚環境を想定した実験装置を用い, 周辺視での認識機能を遮断した場合とそうでない場合について表示像の認識特性を比較した.次に, 周辺視野と中心視野に, 目からの距離が異なる視標を呈示し, それぞれの視標認識の程度を評価した.結果は, ヘッドアップディスプレイの特長が顕著な遠方表示や小さい俯角の条件で, 周辺視での表示像情報の認識・受容の効果が大きく, これは目の焦点調節量と視線移動量の低減の効果に匹敵することがわかった.
著者
岡林 繁 古川 政光 畑田 豊彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.714-721, 1993-05-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
19
被引用文献数
5 1

Although originally developed for aircraft use, head-up displays (HUDs) have recently found application in automobiles.Studies of HUDs in aircraft shows that HUDs are superior to head-down displays in terms of aircraft operation and that this superiority stems from reducing pilot eye accommodation and eye movement.Focusing on the driver's peripheral vision, we have done two kinds of experiments to examine what makes automotive HUDs superior. One examines how the recognizability of HUD images declines when peripheral vision is not available ; the other evaluates how much displayed image information can be obtained through peripheral vision.We have concluded that peripheral vision plays an important role in recognizing of HUD images presented at a small depression angle and a long distance. The contribution by peripheral vision to the recognition of displayed images can be of equal importance to that of reduction of eye accommodation and eye movement.
著者
岡林 繁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.94, no.161, pp.55-61, 1994-07-21

1994年6月に米国San Joseで開催されたSID(Society for Information Display)大会では,Applied Vision, Human Interfaceに関連する論文はセッション数は6,ポスターセッションを含めると24件を超え,セッションも二日半通しで割り当てられ,従来同様多くの講演発表と活発な討議がなされた.講演全体は大まかに分類して,航空機や戦闘機用表示装置の視覚特性,コンピュータとのインターフェイスに関する考察,画質に関する基礎的な考察の三分野と言えよう.話題騒然となるある種の派手さはないが,表示システムと他学会とのまさしくインターフェイス的な役割としてエンドユーザからの観点での発言は本学会としても今後とも重要な分野であろう.