著者
守谷 友紀 高井 良裕 岡田 和馬 伊藤 大雄 塩崎 雄之輔 中西 テツ 高崎 剛志
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.424-430, 2005-11-15
参考文献数
20
被引用文献数
1

セイヨウナシ(Pyrus communis L.)の自家および交雑不和合性は結実率や種子数により判定されてきたが, それらの評価は明確ではない.本研究では交雑による不和合・和合の判定方法を確立するため, セイヨウナシ10品種を用いて1花そう1花の除雄無受粉, 自家受粉および他家受粉を行い, 各品種の単為結果性, 自家不和合性および品種間の交雑不和合性を調査した.ほぼすべての品種が単為結果性を有し, 結実率による不和合・和合の識別はできなかった.しかし, 新たに提案したself-incompatibility (SI) index((評価対象の交配における交配花数当たりの充実種子数)/(和合交配における交配花数当たりの充実種子数)×100)により不和合・和合の判定が可能になった.その結果, 'グランド・チャンピオン'は部分的自家和合性であり, 他の品種は自家不和合性であることが明らかになった.有種子果実の品質は単為結果果実よりも優れており, 単為結果性を有するセイヨウナシでも安定的な良質果実の生産には和合花粉の受粉が必要でることが明らかになった.'フレミッシュ・ビューティー'と'スタークリムソン'および'バートレット'と'セニョール・デスペラン'の二つの組み合わせが交雑不和合を示した.
著者
岡田 和馬
出版者
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

リンゴ品種‘McIntosh’の枝変わりとして発見された‘Wijcik’は,節間が短く,側枝がほとんど発生しないため,細長い円柱状の樹形に生長する.この性質はカラムナー性と呼ばれ,単一の優性遺伝子Coに制御される.本研究では,高精度マッピングによりCo遺伝子と完全連鎖する3つのDNAマーカー(Mdo.chr10.12, 10.13, 10.14)を見出し,Mdo.chr10.12と10.14が信頼性の高いカラムナー性選抜マーカーとして利用できることを示した.また,Co遺伝子座乗領域をDNAマーカー11-1と14-3の間に絞り込み,Co遺伝子座乗領域に挿入変異が生じていることを明らかにした.