著者
伊藤 大雄 藤井 愼二 上原 秀幸 横山 光雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.194, pp.17-24, 1999-07-21
参考文献数
17
被引用文献数
4

詰め将棋の盤面をn×nにし、王将以外の駒を0(n)個の用意した、一般化詰め将棋問題の計算複雑さについて論じる。詰め将棋には見た目や詰め方などに面白みを出すため、駒の初期配置に工夫をしたり、正解の詰め手順に美しい趣向が隠されている様な、趣向詰めというものがある。本稿では、飛車と角を使用しない「小駒図式」、初期配置に成り駒が無い「成り駒無し」、王将が初期配置で居た場所に戻って詰む「還元玉」、王将が中央のマスで詰む「都詰め」の4つの趣向を同時に満たすものに限定しても一般化詰め将棋問題がNP困難であることを証明する。
著者
高田 智史 伊藤 大雄 中村 義作
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.638, pp.13-18, 2006-02-28

組み合わせゲームの1つに、Poset(半順序付き集合)Gameと呼ばれるものがある。Poset Gameは有名なNimから未解決のChompまで多様なゲームを含み、この研究から様々な面白い結果が得られている。Poset Gameは単一の祖先(毒節点)を持つdagで表現できる。これの拡張として、毒節点が複数あり、しかも毒に重みを持たせ、与えられた体力を越えて毒を取った競技者が負けるというゲームが考えられる。我々はこのゲームの多項式時間で必勝手順を得る方法について考察する。
著者
伊藤 大雄
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1995-03-23

新制・論文博士
著者
伊藤 大雄
出版者
日本農業気象学会
雑誌
生物と気象 (ISSN:13465368)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.76-83, 2020 (Released:2020-07-10)
参考文献数
77

Due to the enrichment of atmospheric CO2 concentration, the air temperature will rise by 3-6℃ and the amount of snowfall will change by the end of the 21st century in northern Tohoku district of Japan. The effect of these changes to the apple cultivation at present and in the future is reviewed. Due to the temperature increase, the date of flowering will advance at the rate 0.2 days year-1 until 2040, as is observed already at present. The advancement will continue until 2100 under RCP8.5 scenario, while it will slow down after 2040 and stop around 2080 under RCP4.5 scenario. Because the varietal difference in the flowering date will gradually increase, the insect pollination may become difficult at the end of this century. Harvesting date will advance and delay in early- and late-maturing varieties, respectively. Thus in late-maturing varieties, fruit weight may increase depending on the extension of fruit growth period. On the contrary, fruit storability will very likely reduce, and pigmentation will get worse especially in red-skin early-maturing varieties. Moreover, the risk of sunburn damage will increase, and the risk of late frost injury is also indicated to increase by several researchers. On the other hand, we can expect the reduction of snow damage because the amount of snowfall is generally predicted to decrease in the future, although such decreasing tendency is not detected in the past 50-100 years. Considering the conspicuous midday depression of photosynthesis observed in apple trees, they are now in serious sink-limited condition possibly due to the severe fruit thinning. Therefore, the fruit yield cultivated under high CO2 concentration will hardly increase, unless we alter the strength of thinning to improve the sink capacity of the tree.
著者
守谷 友紀 高井 良裕 岡田 和馬 伊藤 大雄 塩崎 雄之輔 中西 テツ 高崎 剛志
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.424-430, 2005-11-15
参考文献数
20
被引用文献数
1

セイヨウナシ(Pyrus communis L.)の自家および交雑不和合性は結実率や種子数により判定されてきたが, それらの評価は明確ではない.本研究では交雑による不和合・和合の判定方法を確立するため, セイヨウナシ10品種を用いて1花そう1花の除雄無受粉, 自家受粉および他家受粉を行い, 各品種の単為結果性, 自家不和合性および品種間の交雑不和合性を調査した.ほぼすべての品種が単為結果性を有し, 結実率による不和合・和合の識別はできなかった.しかし, 新たに提案したself-incompatibility (SI) index((評価対象の交配における交配花数当たりの充実種子数)/(和合交配における交配花数当たりの充実種子数)×100)により不和合・和合の判定が可能になった.その結果, 'グランド・チャンピオン'は部分的自家和合性であり, 他の品種は自家不和合性であることが明らかになった.有種子果実の品質は単為結果果実よりも優れており, 単為結果性を有するセイヨウナシでも安定的な良質果実の生産には和合花粉の受粉が必要でることが明らかになった.'フレミッシュ・ビューティー'と'スタークリムソン'および'バートレット'と'セニョール・デスペラン'の二つの組み合わせが交雑不和合を示した.
著者
大隅 剛史 伊藤 大雄 岩間 一雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.16, pp.31-36, 2004-04-15

近年のよく知られたWebグラフの問題の1つとして、グループ内で密にリンクされているWebページのグループを見つける問題がある。クリークは明らかにそのようなグループの例と言える。しかしクリークを求める問題(最大のものを求める、極大のものを列挙する)のほとんどは難しく、良い近似方法もない。本稿では「孤立した」クリークとその一般化として孤立した部分グラフを紹介する。部分グラフが「孤立している」とは、内部で密にリンクされているだけでなく、その部分グラフと外部とのリンクが少ないことをいう。例えば、サイズだのクリークでは、外部への枝はκ-1本以下しか許されない。このような孤立条件により、多くの問題が簡単になり、孤立したクリークを列挙する問題が多項式時間で解くことができる。また、孤立したクリークよりやや密度の低い準クリークについても、平均次数がκ-logだ以上でかつ最小次数がκ/(logκ)以上である準クリークを多項式時間で列挙できることを示す。さらにこれらの一般化として、連結度を利用して孤立した一般の部分グラフを多項式時間で列挙できることも示す。
著者
横田 雅也 築地 立家 藤井 愼二 伊藤 大雄
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.J84-D1, no.1, pp.58-61, 2001-01-01

縦横 N ますに王将を除く各駒が O(N) 枚ずつ配置されている盤面が与えられたとき,詰み手順があるかどうかを判定する問題を一般化詰め将棋問題と呼ぶ.伊藤らはその計算複雑さがNP困難であることを証明した.本論文では盤面とともに手数の上限を単進数で与えたときの一般化詰め将棋問題がPSPACE完全であることを証明する.
著者
杉浦 俊彦 黒田 治之 伊藤 大雄 本條 均
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.380-384, 2001-05-15
参考文献数
11
被引用文献数
1 4

特殊な形状から近赤外分光分析法による糖度測定の実用化が遅れているブドウ果実について, 比重と糖度との相関関係の有無を検討した.供試した果房の比重は, 水を使わずに体積が測定できる音響式体積計を利用して測定した.それぞれの果房の糖度は全果粒を採取して搾汁し, 屈折糖度計で求めた.1. '巨峰'の果房における比重と糖度の関係は収穫年次や産地が異なっても安定し, 同一直線上にのった.2. '巨峰'の比重と糖度の関係は16°Brix程度から23°Brix程度の広い範囲で高い相関係数(r=0.981<SUP>***</SUP>)が得られ, また回帰線の実測値と推定値の誤差(標準誤差)は0.35°Brixと低くかった.3. 'キャンベルアーリー', 'ネオマスカット'および'甲州'における果房の比重と糖度の間にも高い相関が認められた.4. 比重と糖度の間における回帰直線の傾きには品種間で有意な差はみられなかった.5. 以上の結果から, 比重測定によるブドウ果房の非破壊糖度測定の可能性が示唆され, また比重測定に音響式体積計が活用できる可能性が示唆された.
著者
岩田 茂樹 武永 康彦 笠井 琢美 伊藤 大雄
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、ゲーム情報学全般にわたる研究のうち、(1) And-Or 木のコンピュータによる探索、と (2) ゲームやパズルの複雑さに関する研究を行う、ことを目的とする。And-Or 木(ゲーム木)のコンピュータによる探索では通常、評価関数が用いられる。ゲーム木の自然なモデルを定め、ゲーム木のある深さにおいて深さ優先探索により探索する局面数を考える。完全な評価関数に確率 p(0<p<1) で近い評価関数を用いたときは、完全な評価関数と比べて、ゲーム木の深さの多項式倍の数の局面数を探索することを示した。ゲームやパズルの複雑さの研究では、いくつかのゲーム・パズルの計算複雑さを明らかにした。
著者
伊藤 大雄 石田 祐宣 松島 大 石田 祐宣 松島 大
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

リンゴ園で微気象観測ならびに乱流計測を長期間実施し、複数の解析手法により蒸発散量を明らかにした。また、群落内貯熱量や融雪潜熱量の推定手法を考案するとともに、渦相関法における熱収支インバランス問題を追究し、得られた成果を蒸発散量の計算プロセスに反映させた。その結果、土壌水分推定法の開発には至らなかったが、月別の作物係数をもとにした蒸発散量の高精度推定を可能にした。更に衛星画像を利用した日射量推定法や、これを利用した蒸発散量推定法を考案し、蒸発散速度の広域的推定に展望を開いた。
著者
伊藤 大雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.89, no.6, pp.458-469, 2006-06-01

フランク・ハラリイによって提案された一般化三並べとは,指定されたサイズの正方盤面上に2人で交互に石を置いていき,指定された生物(図形)を自分の石で先に作ることを競い合うゲームである.ゲームの性質上,両者が最適な手を打つ限り,先手が勝つ(勝ち型)か,引き分ける(負け型)かどちらかである.これまで多くの生物について,勝ち型か負け型かが明らかにされてきた.本論文では,これまで得られた主な結果や主要な技法について解説し,未解決問題を紹介し,今後の発展の方向について述べる.
著者
池田 隆政 伊藤 大雄 吉田 亮
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.87-92, 2010 (Released:2010-01-26)
参考文献数
23

ニホンナシ短果枝葉の飽和光下光合成速度(光合成能力)の季節変化を携帯型光合成測定装置を用いて調査した.予備試験の結果,光合成能力の測定のためのチャンバー内条件として通気速度500 μmol・s−1,光合成有効放射束密度1,500 μmol・m−2・s−1が適当であった.また,光合成速度は午前9時以降減少することから,測定は9時までに終了することとした.ニホンナシ‘幸水’(露地栽培)および‘ゴールド二十世紀’(露地およびハウス栽培)短果枝葉の光合成能力は,満開後30~60日に最高値(15~20 μmol・m−2・s−1)に達し,その後収穫期あるいはその直前までほぼ同じ値が維持された.着果負担のなくなった収穫期後は次第に低くなり,10月以降は急激に低下した.葉肉コンダクタンスの変化は,光合成能力とほぼ同様であり,光合成能力は,主に葉肉活性に影響されていることが示された.以上の結果より,ニホンナシ短果枝葉の光合成能力は着果期間中高いレベルが維持されていることが明らかになった.
著者
横田 雅也 築地 立家 藤井 愼二 伊藤 大雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.58-61, 2001-01-01
被引用文献数
1

縦横Nますに王将を除く各駒がO(N)枚ずつ配置されている盤面が与えられたとき, 詰み手順があるかどうかを判定する問題を一般化つめ将棋問題と呼ぶ.伊藤らはその計算複雑さがNP困難であることを証明した.本論文では盤面とともに手数の上限を単進数で与えたときの一般化詰め将棋問題がPSPACE完全であることを証明する.