著者
菊池 信彦 内田 慶市 岡田 忠克 林 武文 藤田 高夫 二ノ宮 聡 宮川 創
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.32-37, 2021-01-12 (Released:2021-02-24)
参考文献数
11

本稿は、筆者を含め、関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(以下、KU-ORCAS)の研究者を中心とした学内の共同プロジェクトとして実施している「コロナアーカイブ@関西大学」について論じている。コロナアーカイブ@関西大学は、ユーザ参加型のコミュニティアーカイブの手法を用いて、COVID-19の流行という歴史的転換期における関西大学の関係者の記録と記憶を収集している、デジタルパブリックヒストリーの実践プロジェクトである。本稿では、パブリックヒストリーという研究動向の紹介を踏まえたうえで、世界的な動向におけるコロナアーカイブ@関西大学の位置付けやその特徴、そして収集している資料の性格等について論じる。
著者
岡田 忠克
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.23-32, 2002-08-31 (Released:2018-07-20)

ブレア政権の「第三の道」が指向する福祉国家は,サッチャー改革が残した遺産に取り組み,新たな福祉国家を創造しようとしている。ブレアの目指すものは,サッチャー政権が行った諸改革からの完全なる転換でもなく,また,労働党左派がいう社会主義でもない新たな福祉国家体制である。そこには過去との連続的側面と断絶的側面が存在している。サッチャーがいう福祉国家体制の「解体」ではなく,「変容」と「改革」を目指し,政府の役割を再考し,現代的諸問題の解消に向けて,市民の自立や経済の再生を目的とするものであった。本稿では,1980年代以降のイギリス福祉国家の変容についてサッチャリズムをとおして考察を行い,どのように1990年代のブレア政権の樹立に連動しているのか,また,「第三の道」がなにを目指し,どのような福祉国家像を措いているのかを明らかにする。本稿は,新世紀を迎え,ポスト福祉国家,ポスト市場主義を実践するイギリス福祉国家の変容を考察することによって,新たな福祉国家体制に関する議論に寄与することを目的としている。
著者
菊池 信彦 内田 慶市 岡田 忠克 林 武文 藤田 高夫 二ノ宮 聡 宮川 創
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.s1, pp.s17-s20, 2020 (Released:2020-10-09)
参考文献数
9

関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)は、2020年4月に、「コロナアーカイブ@関西大学」の運用を開始した。コロナアーカイブ@関西大学は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下における関西大学関係者の日常の記録や記憶を、ユーザからの投稿によって収集するコミュニティアーカイブプロジェクトである。KU-ORCASでは、コロナアーカイブ@関西大学を、昨今の歴史学の一つの潮流ともなっているパブリックヒストリーの実践として位置づけることで、収集の結果として蓄積されるアーカイブ資料だけでなく、アーカイブするという行為そのものも重視している。本報告では、コロナアーカイブ@関西大学のデジタルアーカイブシステムの構築とともに、資料収集の現状、そしてデジタルパブリックヒストリーとしての実践について、今後の展望を交えて報告する。