著者
菊池 信彦 内田 慶市 岡田 忠克 林 武文 藤田 高夫 二ノ宮 聡 宮川 創
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.32-37, 2021-01-12 (Released:2021-02-24)
参考文献数
11

本稿は、筆者を含め、関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(以下、KU-ORCAS)の研究者を中心とした学内の共同プロジェクトとして実施している「コロナアーカイブ@関西大学」について論じている。コロナアーカイブ@関西大学は、ユーザ参加型のコミュニティアーカイブの手法を用いて、COVID-19の流行という歴史的転換期における関西大学の関係者の記録と記憶を収集している、デジタルパブリックヒストリーの実践プロジェクトである。本稿では、パブリックヒストリーという研究動向の紹介を踏まえたうえで、世界的な動向におけるコロナアーカイブ@関西大学の位置付けやその特徴、そして収集している資料の性格等について論じる。
著者
菊池 信彦
巻号頁・発行日
pp.1-7,

会議名: みんなで翻刻サミット
著者
菊池 信彦
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.156-163, 2015-04-01

本稿では,西洋史学にとっての「古典籍」の一つ,ヨーロッパにおける中世写本をテーマに,その「最前線」としてのデジタル化と公開の現状を論じた。ここでは,ヨーロッパにおける資料デジタル化等の統計調査プロジェクトであるENUMERATEの成果や,Europeanaをはじめとする各種のオンラインデータベースからデジタル化写本の公開点数を確認した。さらに,デジタル化の「その先」にある,写本画像の利用実態を知るべく,「研究」「教育」「広報」の3つの観点から,様々なデジタルヒューマニティーズのプロジェクトを論じた。
著者
菊池 信彦
出版者
関西大学博物館
雑誌
阡陵 : 関西大学博物館彙報 (ISSN:09131906)
巻号頁・発行日
vol.82, pp.8-9, 2021-03-31

2020年度関西大学教育研究緊急支援経費 研究課題「『コロナアーカイブ@関西大学』を核とした新型コロナウイルス感染症およびスペイン風邪の記録と記憶の収集発信プロジェクト」
著者
菊池 信彦
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.156-163, 2015-04-01 (Released:2017-04-13)

本稿では,西洋史学にとっての「古典籍」の一つ,ヨーロッパにおける中世写本をテーマに,その「最前線」としてのデジタル化と公開の現状を論じた。ここでは,ヨーロッパにおける資料デジタル化等の統計調査プロジェクトであるENUMERATEの成果や,Europeanaをはじめとする各種のオンラインデータベースからデジタル化写本の公開点数を確認した。さらに,デジタル化の「その先」にある,写本画像の利用実態を知るべく,「研究」「教育」「広報」の3つの観点から,様々なデジタルヒューマニティーズのプロジェクトを論じた。
著者
菊池 信彦
出版者
史学研究会
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.89, no.4, pp.549-580, 2006-07

フランシスコ・ピ・イ・マルガルは、一九世紀スペインの連邦共和党執行部の一員として連邦理論を唱え、また一八七三年の第一共和制第二代「大統領」として、自ら先頭に立って連邦化を推進した人物でもあった。その理論は、プルードン流の社会契約論とともに歴史認識論によっても支えられている。本稿は、従来の研究では等閑視されてきた連邦主義者以前の彼の活動に焦点を絞り、当時の彼の歴史認識を析出することを目的としている。予備的考察として、まずは当時の国民史家、アラブ学者らの著作を網羅的に検証し、時代の国民史認識の構造を分析している。そして、ピ・イ・マルガルの歴史認識を当時の歴史認識と比較することで、彼の認識構造の独自性とそれが持つ意味とを考察した。その結果、彼はイスラム教徒による侵入と再征服というスペインの過去を、自他の一歴史的差異を保ちながら、ともに「我々の歴史」と考えていたことが明らかとなった。
著者
菊池 信彦 内田 慶市 岡田 忠克 林 武文 藤田 高夫 二ノ宮 聡 宮川 創
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.s1, pp.s17-s20, 2020 (Released:2020-10-09)
参考文献数
9

関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)は、2020年4月に、「コロナアーカイブ@関西大学」の運用を開始した。コロナアーカイブ@関西大学は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下における関西大学関係者の日常の記録や記憶を、ユーザからの投稿によって収集するコミュニティアーカイブプロジェクトである。KU-ORCASでは、コロナアーカイブ@関西大学を、昨今の歴史学の一つの潮流ともなっているパブリックヒストリーの実践として位置づけることで、収集の結果として蓄積されるアーカイブ資料だけでなく、アーカイブするという行為そのものも重視している。本報告では、コロナアーカイブ@関西大学のデジタルアーカイブシステムの構築とともに、資料収集の現状、そしてデジタルパブリックヒストリーとしての実践について、今後の展望を交えて報告する。
著者
小風 尚樹 中村 覚 纓田 宗紀 山王 綾乃 小林 拓実 清原 和之 金 甫榮 福田 真人 山崎 翔平 槙野 翔 小川 潤 橋本 雄太 宮本 隆史 菊池 信彦 後藤 真 崎山 直樹 元 ナミ 加藤 諭
巻号頁・発行日
pp.1-57,

2018年4月15日に開催された「2018 Spring Tokyo Digital History Symposium」のイベントレポート。シンポジウムは、歴史研究においてデジタル技術を駆使する際のいくつかの指針を提示すべく、歴史研究者・アーキビスト・エンジニアの学際的協働に基づくワークショップTokyo Digital Historyが主催した。 本シンポジウムでは、歴史研究が生み出されるまでの4つのプロセス、すなわち「情報の入手」「情報の分析」「情報の表現」「情報の公開」に着目し、それぞれに関連の深いデジタル技術や知識を提示した。さらに、それらを活用した具体的な歴史学的実践例を提供した。このシンポジウムおよびTokyo Digital Historyは、学際的協働を必要とする人文情報学プロジェクトの好例であるとともに、歴史研究の分野においては画期的な試みである。