著者
菊池 信彦 内田 慶市 岡田 忠克 林 武文 藤田 高夫 二ノ宮 聡 宮川 創
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.32-37, 2021-01-12 (Released:2021-02-24)
参考文献数
11

本稿は、筆者を含め、関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(以下、KU-ORCAS)の研究者を中心とした学内の共同プロジェクトとして実施している「コロナアーカイブ@関西大学」について論じている。コロナアーカイブ@関西大学は、ユーザ参加型のコミュニティアーカイブの手法を用いて、COVID-19の流行という歴史的転換期における関西大学の関係者の記録と記憶を収集している、デジタルパブリックヒストリーの実践プロジェクトである。本稿では、パブリックヒストリーという研究動向の紹介を踏まえたうえで、世界的な動向におけるコロナアーカイブ@関西大学の位置付けやその特徴、そして収集している資料の性格等について論じる。
著者
菊池 信彦 内田 慶市 岡田 忠克 林 武文 藤田 高夫 二ノ宮 聡 宮川 創
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.s1, pp.s17-s20, 2020 (Released:2020-10-09)
参考文献数
9

関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)は、2020年4月に、「コロナアーカイブ@関西大学」の運用を開始した。コロナアーカイブ@関西大学は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下における関西大学関係者の日常の記録や記憶を、ユーザからの投稿によって収集するコミュニティアーカイブプロジェクトである。KU-ORCASでは、コロナアーカイブ@関西大学を、昨今の歴史学の一つの潮流ともなっているパブリックヒストリーの実践として位置づけることで、収集の結果として蓄積されるアーカイブ資料だけでなく、アーカイブするという行為そのものも重視している。本報告では、コロナアーカイブ@関西大学のデジタルアーカイブシステムの構築とともに、資料収集の現状、そしてデジタルパブリックヒストリーとしての実践について、今後の展望を交えて報告する。
著者
武岡 春奈 田中 里枝 林 武文
出版者
関西大学総合情報学部
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.21-37, 2011-01-21

色立体視は,背景と2 色以上の領域で構成される平面パタンにおいて,特定の色が進出あるいは後退して知覚される現象である.そのメカニズムは,眼球光学系の軸外色収差に基づく両眼立体視とされているが,それだけでは十分に説明出来ない現象も報告されている.本研究では,軸外色収差による両眼視差量を実験により求め,背景色による奥行きの逆転現象と奥行き量の変化について調べた.また,精密模型眼を用いて光線追跡による数値シミュレーションを行い,実験結果を定量的に説明できることを示した.さらに,自然視の色立体視で顕著な個人差の原因について,シミュレーション結果に基づく考察を加えた. Chromostereopsis is a visual perception where a specifi c color is perceived closer to or farther from the observer than the other colors in a plane pattern that consists of at least two colors with a background color. The mechanism responsible for this phenomenon is considered to be binocular stereopsis by chromatic aberration of the eyeball optical subsystem; however, previous quantitative evaluations have been unsatisfactory. In this paper, we experimentally and numerically study a reversal phenomenon of the depth by background color and a change in the magnitude of this depth. Furthermore, we discuss individual differences in the depth perception in the chromostereopsis on the basis of numerical simulation results.