著者
菊池 信彦 内田 慶市 岡田 忠克 林 武文 藤田 高夫 二ノ宮 聡 宮川 創
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.32-37, 2021-01-12 (Released:2021-02-24)
参考文献数
11

本稿は、筆者を含め、関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(以下、KU-ORCAS)の研究者を中心とした学内の共同プロジェクトとして実施している「コロナアーカイブ@関西大学」について論じている。コロナアーカイブ@関西大学は、ユーザ参加型のコミュニティアーカイブの手法を用いて、COVID-19の流行という歴史的転換期における関西大学の関係者の記録と記憶を収集している、デジタルパブリックヒストリーの実践プロジェクトである。本稿では、パブリックヒストリーという研究動向の紹介を踏まえたうえで、世界的な動向におけるコロナアーカイブ@関西大学の位置付けやその特徴、そして収集している資料の性格等について論じる。
著者
内田 慶市 吾妻 重二 原田 正俊 篠原 啓方 氷野 善寛
出版者
関西大学東西学術研究所
巻号頁・発行日
pp.1-678, 2017-03-31

本目録は2016年度関西大学教育研究緊急支援経費「東アジア研究オープン・プラットホームの構築に向けて」(内田慶市、吾妻重二、原田正俊、篠原啓方、氷野善寛)の成果の一部である。
著者
坂出 祥伸 鄭 正浩 大形 徹 山里 純一 松本 丁俊 内田 慶市 頼富 本宏
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本課題について平成12年度から平成14年度までの期間中、7回の海外調査、1回の沖縄調査、2回の調査報告会を行った。海外調査では、台湾、福建南部、香港、タイ、マレーシア、マニラ、シンガポールの道教的密教的辟邪呪物の調査を行った。ここには、特徴的な事象について説明する。(1)台湾南部では住宅整備と道路改修などの近代化・都市化に伴い、辟邪物が漸次減少化傾向にある。(2)金門島では台湾本島でも対岸の大陸でも見られない種々に珍しい鎮宅符が残っていて、ここは辟邪物の宝庫といえる。(3)厦門、泉州などの市街区では都市・道路整備のために辟邪物・呪符はほとんど消滅していたが、少し奥地の〓州では古い建築物が残っていて正一派道教の出す色々な呪符が見られた。(4)香港は市街区には呪符・辟邪物はほとんど見られないが、北部九龍地区の全真教系道観がいくらか呪符を出していた。(5)タイ、マレーシアにはともに福建南部出身の移住民が多いので、出身地の正一派や民間信仰の道観が出す呪符があったが、タイでは現地仏教との融合した辟邪呪物・呪符が見られ、本頭公という土地神がり、またマレーシアでは、マレーシア原住民の土地信仰・拿督公と融合した大伯公信仰が盛んであった。(6)マニラでは福建南部・晋江の道教との結びつきが強く、道観が種々の呪符を出していたのと、カソリック信仰との融合したサントニーニョが辟邪物として信仰されていた。(7)シンガポールの華人は近代には都市整備が進んでいるために辟邪呪物・呪符もほとんど見ることができなかったが、ここでも現地マレーシア人の拿督公と融合した大伯公信仰が見られた。全体としては、本課題の調査は非常に大きな有益な成果があったという感想である。
著者
菊池 信彦 内田 慶市 岡田 忠克 林 武文 藤田 高夫 二ノ宮 聡 宮川 創
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.s1, pp.s17-s20, 2020 (Released:2020-10-09)
参考文献数
9

関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)は、2020年4月に、「コロナアーカイブ@関西大学」の運用を開始した。コロナアーカイブ@関西大学は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下における関西大学関係者の日常の記録や記憶を、ユーザからの投稿によって収集するコミュニティアーカイブプロジェクトである。KU-ORCASでは、コロナアーカイブ@関西大学を、昨今の歴史学の一つの潮流ともなっているパブリックヒストリーの実践として位置づけることで、収集の結果として蓄積されるアーカイブ資料だけでなく、アーカイブするという行為そのものも重視している。本報告では、コロナアーカイブ@関西大学のデジタルアーカイブシステムの構築とともに、資料収集の現状、そしてデジタルパブリックヒストリーとしての実践について、今後の展望を交えて報告する。
著者
藤善 眞澄 王 宝平 王 勇 内田 慶市 尾崎 實 宮下 三郎 籔田 貫 薗田 香融 大庭 脩 WAN Bao Ping WAN Yong 永井 規男 日下 恒夫
出版者
関西大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

研究テーマ「佛僧の往来」「江戸時代の日中関係」「漢籍と和書の相互交流」「浙江人の日本留学と中国近代文化」の四分野にわたって例会発表を行い、その一部は東西学術研究所々報等に掲載されている。さらに従来の成果をもとに本年度の調査研究を加味し<浙江と日本>のタイトルで業績発表を行うことが決定されており、すでに以下の論文15篇が提出されている。(1)藤善眞澄「入宋僧と杭州・越州」(2)大庭脩「浙江と日本-1684年より1728年に至る間の寧波船の動向」(3)宮下三郎「李仁山種痘書について」(4)籔田貫「寛政12年 遠灘漂着唐船萬勝号について」(5)松浦章「浙江と倭冦」(6)高橋隆博「浙江の漆芸-螺鈿器と識文漆器をめぐって-」(7)尾崎實「後浪推前浪-浙江人の場合-」(8)内田慶市「ヨーロッパ発〜日本経由〜中国行き-西学東漸のもう一つのみちすじ-」(9)毛紹晢「稲作の東伝と江南ルート」(10)王勇「鑑真渡日の動機について」(11)蕭瑞峰・徐萍飛「浙東の唐詩ルートと日本平安朝の漢詩」(12)屠承先・呉玲「呉越国の文化と日本」(13)王宝平「傅雲龍の日本研究の周辺」(14)呂順長「中国の省による留日学生派遣の事始め」(15)謝志宇「留日浙江人の夏馬尊について」これらは平成8年度中に出版し報告書にかえたい。今年度は王勇の漢籍・和書の調査を中心に置き、藤善眞澄による日中交通路の調査ならびに史蹟、資料の蒐集を併せ実施し、多大の成果を得ることができた。これらは逐次発表を行いつつ、次の目標につなげていきたいと思う。