著者
吉久 光一 岡田 恭明 龍田 建次
出版者
The Institute of Noise Control Engineering of Japan
雑誌
騒音制御 (ISSN:03868761)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.256-263, 2004-08-01 (Released:2009-10-06)
参考文献数
12
被引用文献数
2 1

本研究では, 大気の温度と湿度に依存する空気吸収による減衰の年間の変動特性を明らかにするため, 1時間間隔で観測された現実の気象データを用いたシミュレーション計算により, 空気の音響吸収による減衰を周波数ごとに求め, 種々の検討を行った。その結果, 1) 空気吸収による減衰は1年間の気象の変動に伴って大きく変化すること, 2) 夏季の空気吸収による減衰は冬季に比べて低音域と高音域で小さく, 中音域は逆に大きいこと, 3) 雨天の日の空気吸収による減衰は, 晴天の日よりも全体的には小さいが周波数によってその程度が異なること, 4) 夜間の空気吸収による減衰は昼間よりも小さいこと, などが判明した。
著者
岡田 恭明
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

都市部の幹線道路の両側には中高層ビルが建ち並び, それに加えて高架道路が併設されている場合も見受けられる。このような沿道での音環境は, 建物壁面や高架裏面からの反射音の影響によって悪化することは良く知られている。そこで, 本研究では高架・平面道路併設部を対象に建物壁面と高架裏面からの反射音による騒音の増加量を計算するモデルについて検討を行った。その結果, 道路周辺の騒音レベルは, 建物や高架道路からの反射音の影響により8dB程度増加すること, またその計算結果は室内模型実験と比較して妥当な値であることを明らかにした。