- 著者
-
岡田 浩明
- 出版者
- Japanese Society for Root Research
- 雑誌
- 根の研究 (ISSN:09192182)
- 巻号頁・発行日
- vol.11, no.1, pp.3-6, 2002-03-20 (Released:2009-12-18)
- 参考文献数
- 9
- 被引用文献数
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土壌に生息する線虫は, その食性に基づいて5グループ程度に分けられる. そのうち, 物質循環との関わりが強い, 細菌食性線虫と糸状菌食性線虫が, 有機物の分解で生じる無機態窒素の生成量におよぼす影響を調べた実験を紹介した. 細菌食性線虫の実験では, 土壌温度や有機物のC/N比によらず, 線虫を入れた試験区の方が入れない区より無機態窒素の生成量が増えた. 糸状菌食性線虫の実験では, 有機物のC/N比の増加に伴い, 線虫を入れない試験区では無機態窒素の生成量が減少したが, 線虫を入れた区では減少しなかった. また, 糸状菌食性線虫を入れた試験区では, 線虫の増殖適温の下で窒素の生成量が最大になった.