著者
中野 隆文
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.100, pp.19-29, 2017 (Released:2018-04-27)

陸棲捕食性ヒル類の分類群であるクガビル属について,その分類形質と分類学史を概説した.更にクガビル属既知 17 種の各種について, 判別形質や命名法に係る項目について紹介すると共に,全 17 種のための検索図を示した.
著者
田中 真悟
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
no.86, pp.27-79, 2010-05-28
被引用文献数
2
著者
須摩 靖彦
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
no.84, pp.25-56, 2009-03-31
被引用文献数
2
著者
須摩 靖彦
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.25-56, 2009-03-31 (Released:2017-07-20)
参考文献数
27
被引用文献数
1

トゲトビムシ科の形態的な特徴と,分類指標になる上唇毛式,転節器官,茎節棘式と端節を中心に特徴を述べた.日本産トゲトビムシ科は5属3亜属29種2亜種を数える.これらを検索図,識別形質表,そして属・種の各論に分けて解説した.
著者
伊藤 良作 長谷川 真紀子 一澤 圭 古野 勝久 須摩 靖彦 田中 真悟 長谷川 元洋 新島 溪子
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.99-156, 2012-12-28 (Released:2017-07-20)
参考文献数
86

日本産ミジントビムシ亜目1科2属2種およびマルトビムシ亜目6科(2亜科を含む)19属63種1亜種について,同定に必要な形質について説明するとともに,検索図と形質識別表を示し,種類別の特徴を解説した.識別のための主な形質は体の色と模様,体形,特殊な体毛,小眼の数,触角の長さと各節の比率,触角第3,4節の分節数,雄の触角把握器,触角後毛の有無,雄の顔面毛,脛〓節の先の広がった粘毛の方向と,各肢の粘毛の数,脛〓節器官の有無とその形態,爪(外被,偽外被,側歯,内歯の有無)や保体(歯や毛の数)の形態,跳躍器茎節の毛の形質,端節の形態,雌の肛門節付属器,胴感毛の数と配置などである.
著者
一澤 圭
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.31-97, 2012-12-28 (Released:2017-07-20)
参考文献数
115
被引用文献数
1

アヤトビムシ科9属46種.ニシキトビムシ科3属3種,オウギトビムシ科3属7種,アリノストビムシ科2属2種,キヌトビムシ科2属5種について,科ごとの検索図および形質識別表を示し,各属・種の特徴を解説した.識別の指標となるおもな形質は,カラーパターン,ウロコの有無や分布,小眼数,口器・爪・跳躍器の形状,剛毛配列である.
著者
上平 幸好
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.1-9, 2016 (Released:2018-04-27)

九州本島をほぼ網羅する255 地点で, 日本固有種である Metaphire sieboldi( シーボルトミミズ)の分布調査を行い,31 地点でその生息を確認した. 九州北東部と南部で出現頻度は低く,東部で高いことが判明した.出現頻度の違いから本種の分布は偏在しているように推察されたので,著者の結果に他の研究者による本種の出現報告と情報提供の結果を加え再度検討したが,分布状況に大きな違いは認められなかった.この偏在する分布の原因を解明するため土壌型との関連を調べた.地史的に古い土壌である黄褐色森林土と赤黄色土での本種の出現頻度は高く,新しい灰色低地土では低かった.この灰色低地土は河海成の若い土壌であるが,森林土への遷移が進みつつある地域では,隣接する土壌域から本種が進出しつつある例を観察した.阿蘇-4 大噴火を起因とする広い溶岩台地を覆う黒ボク土に本種は出現せず,また,姶良カルデラの生成に起因するシラス台地でも,その出現はごく稀であった.それぞれの台地を覆っている新しい火山灰性土壌は,その特徴的な性状で本種の台地への進出を妨げ分布の障壁になっていた.出現地点と植生図との照合により,最終氷河期以後の九州本島における本種の生息地は照葉樹林帯であると結論したが,2 万年前の最終氷期に,九州本島全域は冷温帯夏緑樹林に覆われていたとする研究報告を考慮すると,本種は照葉樹林内でなければ生息できないとはいえないことを,本州における観察例をあげて指摘した.
著者
谷地 俊二 大高 明史 金子 信博
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.13-24, 2012
参考文献数
45

神奈川県鎌倉市にある冬期湛水型の有機農法水田における水生ミミズ類の種組成,個体数密度,バイオマスを,冬季を除いた2010年6月から2011年5月まで調べた.水生ミミズ類の種構成は8種類からなり,他の水田や富栄養湖に優占するL.hoffmeiteriとB.sowerbyiが優占していた.鎌倉水田における水生ミミズ類の個体数密度は2,822m^<-2>であり,似た種構成を記録した北日本(50,000m^<-2>)やフィリピン(8,200m^<-2>)の水田と比べ低かった.また,渓流性のE.yamaguchiiが生息していた.
著者
中森 泰三 藤原 直哉 松本 直幸 岡田 浩明
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
no.84, pp.5-9, 2009-03-31

持続可能な農業に向けて農業生態系の生物多様性に関心が高まっている.日本では農業生態系におけるトビムシの多様性に関する知見は限られている.そこで,我々は慣行および保全型畑地に加えて森林土壌およびリター堆肥におけるトビムシの種組成を明らかにした.総個体数および種数ともに慣行畑地より保全型畑地において多かった.また,畑地土壌からMesaphorura silvicola(Folsom)が日本から初めて得られたので合わせて報告する.
著者
金田 哲 南谷 幸雄
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.25-31, 2013-07-30 (Released:2017-07-20)
参考文献数
25

農地や農地環境において効率的にミミズの調査を行うため,からし採取法のミミズ採取率及び採取時間を調査した.調査地は,火山灰土と非火山灰土の農地およびその周辺環境9地点を選定した.初夏,夏,秋に,それぞれの調査地で,まずからし採取法によりミミズを採取した.その後深さ30cmまで掘り取り,地中に残っているミミズを採取した.からし採取法により,平均で80%以上のミミズを採取できた.土壌型と体積含水率により,からし採取法のミミズ採取率が変化した.火山灰土より非火山灰土でミミズ採取率が低下し,体積含水率が25%以下では,ミミズ採取率が低下した.地表生息性ミミズは100%採取でき,地中生息性は78-98%採取できた.からし採取法では掘り取り法よりも採取時間を短縮でき,0.125m^2の表面積を調査する場合,24.4分時間を短縮できた.ミミズ種によりからし採取法のミミズ採取率が変化するものの,地表温度が15-25℃で湿潤な土壌条件であれば,からし採取法により低労力かつ短時間でミミズの採取が可能になると考えられた.本研究から土壌型を区別することで日本の農地環境において,からし採取法を用いた効率的なミミズ群集調査が十分適用できる事が明らかとなった.
著者
金子 信博 井上 浩輔 南谷 幸雄 三浦 季子 角田 智詞 池田 紘士 杉山 修一
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.31-39, 2018

人間によるさまざまな土地管理は,そこに生息する土壌生物にも大きな影響を与え,土壌生物群集の組成やその機能が,さらにそこに生育する植物の生長にも影響している.農業においても保全管理を行うことで土壌生物の多様性や現存量を高めることが必要である.日本におけるリンゴ栽培は,品種改良と栽培技術の向上により,世界的に高い品質を誇るが,有機栽培は困難であると考えられている.青森県弘前市の木村秋則氏は, 独自の工夫により無施肥, 化学合成農薬不使用による有機栽培を成功させている.その成功の理由については地上部の天敵が増加することや,リンゴ葉内の内生菌による植物の保護力が高まることが考えられているが,土壌生態系の変化については十分調べられていない.そこで,2014 年 9 月に, 木村園(有機) と隣接する慣行リンゴ園, 森林の 3 箇所で土壌理化学性,微生物バイオマス,小型節足動物,および大型土壌動物の調査を行い,比較した.有機の理化学性は,慣行と森林の中間を示したが,カリウム濃度はもっとも低かった.AM 菌根菌のバイオマス, 小型節足動物, 大型土壌動物の個体数は有機で最も多く, 慣行で最も少なかった.特にササラダニの密度は有機が慣行の 10 倍であった.落葉と草本が多く,土壌孔隙が多いことが,有機での土壌生物の多様性および現存量を高めており,植物に必要な栄養塩類の循環と,土壌から地上に供給される生物量を増やすことで,天敵生物の密度を高めることが予測できた.
著者
阿部 進
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.93, pp.29-37, 2014-03-07 (Released:2017-07-20)
被引用文献数
2

ミミズ(Oligochaeta)やシロアリ(Isoptera)のような土壌無脊椎動物は土壌生態系改変者と呼ばれ,土壌物理環境を改変・撹乱することによって他の生物への資源の有効性に影響を及ぼしている.土壌生成過程における物理学的,化学的,生物学的な影響に対する関心が高いのに対して,生態系改変者が土壌鉱物の風化において直接的および間接的に重要な影響を及ぼしていることはあまり認識されていない.その直接的な影響は鉱物粒子の物理的破壊であり,分泌物質による化学的変質である.一方,土壌無脊椎動物の共生微生物によって生成される有機酸やキレート成分による鉱物の溶解など間接的な影響もある.本稿では,土壌生態系改変者が土壌鉱物の風化に及ぼす影響に関する既往の文献を総括し,このトピックにおける研究課題と将来の展望について議論する.
著者
金子 信博 井上 浩輔 南谷 幸雄 三浦 季子 角田 智詞 池田 紘士 杉山 修一
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.31-39, 2018 (Released:2018-04-28)

人間によるさまざまな土地管理は,そこに生息する土壌生物にも大きな影響を与え,土壌生物群集の組成やその機能が,さらにそこに生育する植物の生長にも影響している.農業においても保全管理を行うことで土壌生物の多様性や現存量を高めることが必要である.日本におけるリンゴ栽培は,品種改良と栽培技術の向上により,世界的に高い品質を誇るが,有機栽培は困難であると考えられている.青森県弘前市の木村秋則氏は, 独自の工夫により無施肥, 化学合成農薬不使用による有機栽培を成功させている.その成功の理由については地上部の天敵が増加することや,リンゴ葉内の内生菌による植物の保護力が高まることが考えられているが,土壌生態系の変化については十分調べられていない.そこで,2014 年 9 月に, 木村園(有機) と隣接する慣行リンゴ園, 森林の 3 箇所で土壌理化学性,微生物バイオマス,小型節足動物,および大型土壌動物の調査を行い,比較した.有機の理化学性は,慣行と森林の中間を示したが,カリウム濃度はもっとも低かった.AM 菌根菌のバイオマス, 小型節足動物, 大型土壌動物の個体数は有機で最も多く, 慣行で最も少なかった.特にササラダニの密度は有機が慣行の 10 倍であった.落葉と草本が多く,土壌孔隙が多いことが,有機での土壌生物の多様性および現存量を高めており,植物に必要な栄養塩類の循環と,土壌から地上に供給される生物量を増やすことで,天敵生物の密度を高めることが予測できた.
著者
菊地 友則 諏訪部 真友子 辻 和希
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.59-73, 2009
参考文献数
54

本稿では琉球列島産アリ4種の生態について概説した.ツヤオオハリアリの巣仲間認識行動は,非巣仲間ワーカーに比べ女王に対してより攻撃的になるカースト依存的な発現パターンを示した.これは,産卵能力に関係した女王とワーカー間の受け入れコストの違いによるものと推測された.また,女王とワーカーの形態比較から,ワーカーは女王に比べ相対的に大きな頭部をもつことが明らかになった.ワーカーの形態は,繁殖に係わる個体選択と生産性などに関係したコロニーレベルの選択のバランスによって影響をうけることから,ワーカーの卵巣が完全に退化しもはや個体選択がかからないッヤオオハリアリでは,コロニーレベルの選択によってワーカーの形態が特殊化したと考えられた.二次的に消失した女王カーストの代わりに,受精したワーカー(ガマゲイト)が産卵者として存在するトゲオオハリアリでは,ガマゲイト存在情報は直接接触によってのみワーカーへと伝達される.このような情報伝達システム下で,伝達効率がコロニーサイズとともにどのように変化するのか明らかにするために,ガマゲイトとワーカーの接触確率とコロニーサイズの関係を調査した.その結果,コロニーサイズが大きくなるほどガマゲイトとワーカーの接触確率が低下することが明らかになった.このことは,接触確率が低下する大きなコロニーでは,ガマゲイトが存在しているにもかかわらず,ワーカーは誤ってガマゲイト不在と認識している可能性を示唆している.琉球列島には,ツヤオオズアリとアシナガキアリの2種の侵略的外来アリが侵入,定着している.この2種の外来アリと在来アリの季節的活動性を調査したところ,外来アリは秋から冬にかけて,逆に在来アリでは春から夏にかけて活動性が高くなる傾向が見られた.この様な活動性の違いが,琉球列島において外来アリが在来アリを駆逐し優占化しない理由の一つと考えられた.
著者
中森 泰三 一澤 圭 田村 浩志
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.43-82, 2014-11-14 (Released:2017-07-20)

日本産ミズトビムシ科およびムラサキトビムシ科の種を同定するための形質を示した.ミズトビムシ科は1属1種からなる.ムラサキトビムシ科の9属42種については図解検索表を示した.識別の指標となる主な形質は,小眼の数触角後器および副爪の有無,跳躍器端節の形,毛序である.各種の形態学的特徴をまとめた.
著者
古野 勝久 須摩 靖彦 新島 溪子
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.15-42, 2014-11-14 (Released:2017-07-20)

日本産シロトビムシ科の4亜目14属31種1亜種について,同定に必要な形質について説明するとともに,検索図と形質識別表を示し,種類別の特徴を解説した.識別のための主な形質は体色の有無,体形,跳躍器またはその痕跡の形態,触角第3節感器とPAOの形態および擬小眼の配置などである.
著者
佐藤 綾
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.53-58, 2009-08-31 (Released:2017-07-20)
参考文献数
34

潮間帯は,約12.4時間周期の干満(潮汐サイクル)の影響を受け,満潮になると冠水し,干潮になると地面が露出する.また,満潮時の水位は約2週間の周期で変化しており,大潮の時期に最高となり,小潮の時期に最低となる.陸生である地表性昆虫は,生息地が冠水する満潮時には活動できず,潮間帯に進出した種は満潮時の危険(溺死など)を回避するための戦略を進化させている.本稿では,潮間帯に生息する地表性昆虫の示す活動リズムとその体内時計について概説し,満潮時の冠水に対応した戦略について考えた.マングローブスズ(Apteronemobius asahinai)やオキナワシロヘリハンミョウ(Callytron yuasai okinawense)などのいくつかの地表性昆虫は,野外の潮汐サイクルに合わせた活動を示し,恒常条件下においても約12.4時間周期の活動リズム(概潮汐リズム)が継続する.つまり,これらの昆虫類は,潮汐に対応した体内時計を使って活動を干潮時に合わせていると考えられた.一方で,他の地表性昆虫では,潮汐に同調する体内時計の獲得とは異なる方法で満潮時の冠水に対応していた.例えば,オサムシ科のDicheirotrichus gustaviは,冠水の危険のない小潮の時期には夜間に活動するが,大潮の時期には活動パターンを変えて夜間の干潮時でも活動せず一日中地面下に潜んだままとなる.