著者
岩下 仁
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.63-79, 2019-03-29 (Released:2019-03-29)
参考文献数
78

これまで,市場志向と同次元に位置づけられる代替的志向性に関する研究は個別に展開されてきたため,包括的に扱った研究はほとんど取り組まれていない。それゆえ,市場志向の代替的志向性にはどのようなものがあるかについて網羅的な整理がなされておらず,様々な代替的志向性がマーケティング変数にどのようなインパクトをもたらすかについて明らかにされていない。本研究では,代替的志向性に焦点を当て,それらに関する先行研究についてレビューを実施している。製品志向,販売志向,技術志向,リレーションシップ志向,サービス志向,ブランド志向,イノベーション志向,CSR志向,デザイン志向,学習志向という10つの志向性について包括的に整理するとともに,各志向性の研究段階を明らかにしている。
著者
岩下 仁
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では、マーケティング研究の中心的な概念である市場志向 (Market Orientation、以下MOに略)研究の中でも、近年注目を集めているフロントライン従業員の視点を取り入れ、それが個人レベルのMO (Individual Market Orientation、以下IMOに略)、ひいては事業成果にどのような影響を及ぼすかという一連のメカニズムを解明する。これまでの研究によって応募者は、MOと成果要因との関係を明らかにしてきた。一方、本研究ではフロントライン従業員の様々な要因が個人レベルのMOに及ぼす影響に光を当て、事業成果に至るまでのメカニズムの解明を目的にしている。