著者
伊藤 豊志雄 岩井 浤
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.491-495, 1981-10-20 (Released:2010-08-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

センダイウイルスに感染したICRマウスの体重および体温は減少し, その減少の程度は投与ウイルス量に比例した。重症例においては, ヘモグロビン, ヘマトクリット, 赤血球数, 白血球数とロイシンアミノペプチダーゼの上昇と, 網赤血球と乳酸脱水素酵素の減少をみた。
著者
町井 研士 岩井 浤 大塚 佑子 上田 雄幹 平野 紀夫
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
Experimental Animals
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.251-255, 1988

ELISAによるラット血清中の抗コロナウイルス抗体検出のために, 唾液腺涙腺炎ウイルス (SDAV) TG株, パーカーのラットコロナウイルス (PCV) 8190株, 及びマウス肝炎ウイルス (MHV) S及びNuU株で作製した抗原の, 免疫血清及び自然感染血清との反応性を比較検討した。免疫血清についての検討では, SDAV及びPCV抗原は, 同種抗原に対する抗血清と最も高い反応性を示した。一方, MHV抗原はすべての抗血清と同程度の反応性を示し, また, MHV-Sの方がMHV-NuUより高い反応性を示した。数ヵ所のラット飼育集団由来の自然感染血清と各抗原との反応性は, SDAV, MHV-S, MHV-NuU, PCVという順に高い傾向を示し, SDAV陰性の血清で他の抗原に陽性のものは認められなかった。また, SDAV陽性の血清は, MHV-S, MHV-NuU, PCVの順に陽性率が低下する傾向がみられた。これらの結果より, ELISAによるラットのコロナウイルス抗体の検出にはSDAVおよびPCV抗原の使用が最適であるが, ウイルス株によってはMHV抗原も利用し得ることが示唆された。
著者
後藤 正光 丸山 実博 北館 健太郎 桐沢 力雄 小幡 祐路 小岩 政照 岩井 浤
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.437-441, 1997-06-25
参考文献数
23
被引用文献数
6

ウシIL-1β特異的サンドイッチELISAを用いて, 臨床的に異常のないホルスタイン種乳牛の血清と乳汁および新生仔牛の血清中のIL-1β濃度を測定した. 人工授精時にほとんど検出されなかったIL-1βは妊娠の進行に伴い徐々に増加し, 妊娠後期から分娩時にかけほとんどの母牛血清中に比較的高濃度のIL-1βが検出され, 分娩後低下し検出レベル以下になった. 乳汁中IL-1βは分娩当日のものから検出されたが, 3日以降のものからは検出されなかった. RT-PCRで調べた乳汁内細胞のIL-1βmRNA発現も同様の変化を示した. 新生牛の血清中IL-1βは, 生後3日をピークとし14日までに消失する変化を示した. 生後3日にIL-1βが検出された子牛は, IL-1βが検出されなかった子牛に比べて, 高い濃度のIL-1βを含む初乳を飲んでいた. 以上の成績から, 健康な乳牛においてIL-1βは妊娠と関連して産生され, 新生仔に初乳を介して移行する可能性が示唆された.