著者
町井 研士 岩井 浤 大塚 佑子 上田 雄幹 平野 紀夫
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
Experimental Animals
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.251-255, 1988

ELISAによるラット血清中の抗コロナウイルス抗体検出のために, 唾液腺涙腺炎ウイルス (SDAV) TG株, パーカーのラットコロナウイルス (PCV) 8190株, 及びマウス肝炎ウイルス (MHV) S及びNuU株で作製した抗原の, 免疫血清及び自然感染血清との反応性を比較検討した。免疫血清についての検討では, SDAV及びPCV抗原は, 同種抗原に対する抗血清と最も高い反応性を示した。一方, MHV抗原はすべての抗血清と同程度の反応性を示し, また, MHV-Sの方がMHV-NuUより高い反応性を示した。数ヵ所のラット飼育集団由来の自然感染血清と各抗原との反応性は, SDAV, MHV-S, MHV-NuU, PCVという順に高い傾向を示し, SDAV陰性の血清で他の抗原に陽性のものは認められなかった。また, SDAV陽性の血清は, MHV-S, MHV-NuU, PCVの順に陽性率が低下する傾向がみられた。これらの結果より, ELISAによるラットのコロナウイルス抗体の検出にはSDAVおよびPCV抗原の使用が最適であるが, ウイルス株によってはMHV抗原も利用し得ることが示唆された。
著者
秋庭 正人 佐伯 英治 石井 俊雄 山本 茂貴 上田 雄幹
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.371-377, 1991-06-15
被引用文献数
2

マウスの Babesia rodhaini 感染の免疫学的変化を追求できるモデル系を, まず, 薬腺 Diminazene diaceturate (DD)を使い確立した. R. rodhainiの腹腔内(i. p.)接種で有胸腺(nu/+)および無胸腺(nu/nu) BALB/cマウスは急死した. 感染早期にDD処置すると両マウスともに急性死から免れた. 耐過マウスの一部は虫血症を再発したが, 致死的再発は nu/nuマウスのみにみられた. 回復マウスを28日目に10^5感染赤血球(PE)でi. p.に再攻撃すると, nu/+マウスは抵抗したが, nu/nuマウスは防御しなかった. 以上から防御機序に胸腺が関与することが示唆された. 次にnu/+, nu/nuマウスに10^4PEをi. p.接種しDD治療を行い, 28日目に10^5PEをi. p.再攻撃して免疫学的変化を調べた. nu/+マウスは, B. rodhaini可溶性抗原足蹠注射による即時型反応および, 同抗原とプロテインAを用いたELISAによる血清抗体でみた抗体応答が, 10日以降から出現し, 再攻撃後は強い応答がみられた. 一方, nu/nuマウスの血清から抗体は検出されなかった. 遅延型足蹠反応はnu/+マウスに14日目以降に見られたが, 再攻撃後は抑制された. DD注射-再攻撃のnu/+マウスの脾細胞(再攻撃後8日)を, nu/nuマウスに移入し10^4PEでi. p.に攻撃すると, 5匹中3匹のnu/nuマウスは一時的な低い虫血症を示し耐過したが, 残り2匹は重篤な虫血症を伴い早期に死亡した. このモデル系はバベシア免疫に有効な細胞の解析を可能にするものと思われる.
著者
三枝 順三 上田 雄幹 後藤 義孝 藤原 公策
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.75-80, 1978-02-25
被引用文献数
2

A total of 945 adult dogs, 572 stray and 373 nonstray ones, collected fromTokyo area, were examined for Brucella canis infection and 27 (2.9%) cases were found tohave high titered agglutinin and/or the organism. With the exception of a colony of non-stray dogs showing a positive rate of 12.77., no significant difference in positivity rates wasseen between stray and nonstray dogs. Bacteremia was detected in 12 cases out of 459cases examined, and 9 positive cases had high titered antibodies. In 9 out of 11 autopsiedcases having high levels of agglutinin or positive blood culture, the organism was isolatedfrom the spleen, Nymph nodes, liver and male genital organs with high frequency. Amongthese cases carrying the organism, high titered specific agglutinins were usually resistantto 2-mercaptoethanol treatment, while low titered agglutinins, probably nonspecific, weresensxtuve.