著者
張 煕 岩倉 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.1378-1384, 1996-08-25
被引用文献数
5

本論文では, 零符号間干渉を有するFIRナイキストフィルタを直接Remezアルゴリズムを用いて設計する方法を提案する. まず, 零符号間干渉を有するFIRナイキストフィルタの振幅特性の性質を示す. 零符号間干渉の条件から, ナイキストフィルタの通過域における振幅特性は主に阻止域の振幅特性に依存していることがわかる. 従って, ナイキストフィルタの設計問題は阻止域における振幅特性の最適化問題になる. 阻止域に直接Remezアルゴリズムを適用し, その設計問題を線形問題として定式化を行う. 簡単な線形方程式を解くことによりフィルタ係数が決定でき, 更に繰り返して反復計算を行い阻止域における等リプル特性が得られる. 本設計法の特長は従来法と比べて計算量が少なくなることである. 最後に, 本設計法を整合ナイキストフィルタ対やマルチステージナイキストフィルタ等の設計に応用する. 幾つかの例題を設計し, 本設計法の有効性を示す.
著者
若林 剛 高橋 弘太 岩倉 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.322, pp.29-34, 2002-09-13
被引用文献数
8

近年,独立成分分析を利用したブラインド音源分離が研究され,よい成果を納めている.過去のこれらの研究では,マイクロホン数2〜8個程度の小〜中規模アレイを用いるものがほとんどであり1マイクロホン数が100を超える大規模マイクロホンアレイへの適用は,まだあまり試みられていなかった.そこで本研究では,大規模マイクロホンアレイを前提とし,独立成分分析による信号分離を行った.本報告では2つの問題について取り上げる.第一に,音源数に対してマイクロホンの数が多い場合に,1つの信号が複数の独立成分に分離されるという問題である.マイクロホンアレイの大規模化ではこの問題がさらに顕著に現れる.この問題に対して,小〜中規模アレイと同様の手法が適用できるか検討した.第二の問題は,周波数領域でICAによる分離を行うと,分離信号が周波数間で入れ替わりが起きる,置換問題である.以上2つの問題を橡証するために,大規模化が容易なマイクロホンアレイシステムを作成し実環境の音声による分離宰験を行ったので,その結果についても報告する.