著者
岩堀 健治 山下 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.478-483, 2001-07-01
被引用文献数
2

現在ナノメートルサイズの機能構造体が注目されているが, 生物界では既にナノメートルオーダの生体分子が自己集合することでナノ機能構造体が実現されている。そこでこの生物における自己集合能を模倣した, 生体分子を用いたナノ機能構造作製プロセス"バイオナノプロセス"を提案する。この手法の有効性を示すため, 金属化合物を担特できるフェリチン分子の二次元結晶をシリコン基板上に作製し, そのタンパク質殻を熱処理により除去して導電性ナノドット配列の作製を試み, 成功した。現在更に発展形の実験を実施中である。
著者
岩堀 健治
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究において詳細にナノ粒子形成条件を検討する事により直径 12 nm の馬由来フェリチンタンパク質の内部空洞内(直径 7 nm)に温熱効果を発揮すると考えられる酸化鉄ナノ粒子の作製に成功した。作製した本ナノ粒子集合体はネオジウム磁石への吸着が肉眼で観察されるとともに、XRD や EDX 分析、高分解能電子顕微鏡観察等を行った結果、作製されたナノ粒子はマグネタイト (Fe3O4) であることが確認された。また、酸化鉄ナノ粒子以外にも詳細な検討作製条件検討によりフェリチン空洞内への CuS 及び FeS, タンタル (Ta) のナノ粒子の作製にも成功し、現在ひきつづき元素分析及び磁性観察を行っている。さらに最近、より DDS に適しているヒトの心臓由来のフェリチンタンパク質の作製と内部への酸化鉄ナノ粒子の作製にも成功した。今後はこれらの作製したナノ粒子の発熱実験とフェリチン表面への認識ペプチドの結合を行うことでバイオナノ粒子を作製し、機能評価を行う。
著者
岩堀 健治
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、詳細なナノ粒子作製条件の検討を行い、直径12nm内部空洞7nmの球殻状バイオテンプレートであるアポフェリチン内部に、ナノ電子デバイス作製に有用である3種類の新規化合物半導体ナノ粒子(CdS, CuS, ZnS)の作製に成功した。特に、溶液中のアンモニア濃度を調整することにより、異なる粒子径を持ち、異なる蛍光を発するCdSナノ粒子の作製が可能となった。同時に遺伝子変異フェリチンを作製し、フェリチン内部におけるナノ粒子形成メカニズムを明らかにした。さらにフェリチンタンパク質と直径9nmのLisDpsタンパク質をQCM基板上で結合させ雪だるま型バイオナノパーツの試作を行った。