著者
向山 光昭 岩澤 伸治
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.7, pp.1099-1107, 1987-07-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
38
被引用文献数
2

二価スズのトリフラートに塩基の存在下,種々のカルポニル化合物を作用させるとすみやかに対応する二価スズのエノラートが生成する。これにアルデヒドを作用させることにより収率よく,また,高立体選択的にsyn-形のアルドール付加体が得られる。この反応は種々のβ-ヒドロキシカルボン酸誘導体,α,β-エポキシカルボニル化合物,カルバペネム系β-ラクタムなどの立体選択的合成に適用できる。また,二価スズのエノラートに光学活性ジアミンを配位子として作用させるだけで,高能率的不斉アルドール反応が進行し,80%ee以上の高い不斉収率でアルドール体を得ることができる。また,触媒量の二緬スズ化合物を用いるアルドール反応もニ価スズと硫黄との親卸力を利用することにより実現できる。さらに二価スズのエノラートを用いるMichael付加反応,キノンとの付加一還元反応など,従来の金属エノラートでは困難とされていた種々の有用な合成反応を開発することができた。
著者
茶谷 直人 中尾 佳亮 村上 正浩 岩澤 伸治 伊東 忍 川口 博之 真島 和志 後藤 敬 城 宜嗣 林 高史
出版者
大阪大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

研究は、当初予定していた以上の成果を挙げることができました。領域全体として、5年間で発表した論文数は、1400報近くあり、多くの特許申請もありました。本領域は若手育成に積極的に取り組んできました。例えば、若手研究者の海外講演派遣・国際若手セミナーの開催をおこないました。企業との交流や共同研究への展開を促進することを目的として、企業班友を設立しました。HPだけでなく、班員の研究、トッピクスなどを紹介するニュースレターは、毎月1回、50号まで発行しました。さらに、国際シンポジウムの開催や分子活性化に関連するシンポジウムやセミナーなども主催あるいは、後援し、分子活性化の活動をサポートしてきました。