著者
古月 大樹 後藤 敬博 宮根 一男 橋爪 智代
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.226, 2014 (Released:2021-05-27)

はじめに 重症心身障害児(者)では不眠など睡眠リズムの不規則さが見られることがある。乳児に対してホワイトノイズは胎児のときに聞いていた母親の心臓の鼓動や、胎盤の血流の音に似ているため、安眠に導く効果があるという報告がある。そこで夜間覚醒している睡眠リズム障害のある利用者に対してもホワイトノイズが睡眠誘導に有効であるか検討した。 研究方法 睡眠リズム障害を有し、家族の同意が得られた2名を対象とした。A氏 (56歳男性) 脳性麻痺 B氏(41歳女性) 脳性麻痺・レノックス症候群 周波数が異なるホワイトノイズ音源を7種類用意した。両名共に不眠時にブラウンノイズが穏やかになる様子が見られたため、これを使用するとした。 実施期間 1期:2013年8月〜9月、不眠時にブラウンノイズを30分、胎児が体内で聞いている音量と同じぐらいの音量の60〜70dbで流した。 2期:2013年9月〜11月、客観的測定のため、不眠時にブラウンノイズ使用の前後に唾液アミラーゼ値を側定し、ストレス値の変化を調査した。ブラウンノイズ使用後、入眠していれば測定せずとした。 結果 A氏1期では12回中10回(83.3%)入眠した。2期では15回中6回(40%)入眠した。アミラーゼ値は9回中6回の低下認めた。B氏1期では4回中4回(100%)入眠した。2期では2回中1回(50%)入眠した。アミラーゼ値は1回中1回の低下認めた。 考察 今回は2名での検証であったがホワイトノイズの効果はあった。1期では、両名共に高い比率で入眠を認めた。2期では両名共にアミラーゼ値の低下は確認出来たが、唾液アミラーゼ測定自体が利用者に不快を及ぼし、入眠を妨げる要因となり、1期と2期の結果に差が出たのではないかと考える。重症心身障害児(者)でのホワイトノイズ使用例がないため、今後の取り組みの結果によっては、睡眠薬を使わず入眠を促す1つの手段になる可能性がある。対象者を増やして検討したい。
著者
後藤 敬一 渋江 隆雄 村上 健一
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.131, no.10_11, pp.553-558, 2015-10-01 (Released:2016-01-01)
参考文献数
1

Caserones is the first world class copper mine owned and operated 100% by Japanese companies. It is an open pit mine located in the Andes, 160 km southeast of the city of Copiapó, Chile. The equity is shared by 2 Japanese companies, Pan Pacific Copper CO., LTD and Mitsui & CO., LTD. In May 2006, Pan Pacific Copper acquired the concession which includes Caserones as a supergene oxide and sulphide copper prospect. In pre-feasibility study stage, a significant hypogene sulfide ore was identified beneath it. The construction began in March 2010, and the SX-EW plant started operation in March 2013. In July 2014, at the beginning of copper concentrates production, the official opening ceremony was held in Santiago of Chile, with the attendance of Japanese Prime Minister Shinzo Abe and Chilean Mining Minister Aurora Williams. Caserones is estimated to embrace 1 billion tons of hypogene ore containing 0.34% of copper and 126ppm of molybdenum, besides 300 million tons of supergene ore with 0.25% of copper. The production is planned to last 28 years. Caserones will contribute to the stability of copper supply to Japan, as well to raising Japanese mining experts.
著者
後藤 敬一 石橋 和樹 江崎 健二郎 山中 章喜
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.715-717, 2007-10-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
6

2004年1月, 38頭のホルスタイン種を飼養する酪農場において, 呼吸器症状を主徴とし, 下痢および搾乳量の減少を伴う疾病が認められた.発症牛群の糞便および鼻腔拭い液から牛コロナウイルス (BCV) 遺伝子が検出されるとともに, 鼻腔拭い液からBCVが分離され, さらに, 発症期および回復期の血清でBCVに対する鶏赤血球凝集抑制抗体価が有意に上昇した.いっぽう, 牛RSウイルス, 牛伝染性気管支炎ウイルス等の呼吸器病起因ウイルスは抗原検索, 分離ともに陰性であり, 抗体検査でも有意な上昇を示さなかった.また, 有意な病原細菌および寄生虫は確認されなかった.これらの結果から今回の症例はBCV単独によるものと思われた.
著者
後藤 敬治
出版者
特定非営利活動法人 日本医学図書館協会
雑誌
医学図書館 (ISSN:04452429)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.182-187, 1979-12-25 (Released:2011-09-21)
参考文献数
16

Based upon the materials of MEDLARS Indexing Orientation and online training course in the National Library of Medicine, the Medical Subject Headings-Annotated Alphabetic List and the 1980 Indexing Orientation are outlined to Japanese users of the Index Medicus and JOIS-MEDLARS medical bibliographical file.
著者
茶谷 直人 中尾 佳亮 村上 正浩 岩澤 伸治 伊東 忍 川口 博之 真島 和志 後藤 敬 城 宜嗣 林 高史
出版者
大阪大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

研究は、当初予定していた以上の成果を挙げることができました。領域全体として、5年間で発表した論文数は、1400報近くあり、多くの特許申請もありました。本領域は若手育成に積極的に取り組んできました。例えば、若手研究者の海外講演派遣・国際若手セミナーの開催をおこないました。企業との交流や共同研究への展開を促進することを目的として、企業班友を設立しました。HPだけでなく、班員の研究、トッピクスなどを紹介するニュースレターは、毎月1回、50号まで発行しました。さらに、国際シンポジウムの開催や分子活性化に関連するシンポジウムやセミナーなども主催あるいは、後援し、分子活性化の活動をサポートしてきました。
著者
川島 隆幸 狩野 直和 小林 潤司 後藤 敬
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、斬新な特定位置占拠型配位子の設計と、それらを活用した高配位典型元素化合物の創製を目的に行われた。まず、電子・立体効果の両面で安定化能力にすぐれた三座配位子の実現を目指し、三方両錐構造の二つのアピカル位と一つのエクアトリアル位を占拠するように独自に設計・開発した、新規な平面型三座配位子の応用を検討した。次に、配位座の完全固定化による高配位状態の安定化を指向し、全てのエクアトリアル位と一つのアピカル位を占拠しうる剛直な四座配位子を開発し、その高配位リン化合物および高配位14族元素化合物の合成への応用と、四座配位子のアピカル炭素原子を他の典型元素へ置き換えた新配位子の開発を試みた。続いて、デンドリマー型置換基の開発を行い、これを3個導入することにより、フレキシブルなエクアトリアル位占拠型置換基として機能し得るかどうかを検討した。さらに、ジチオカルボキシラト配位子およびカルボキシラト配位子を二座配位子として活用した6配位ケイ素化合物の構築について検討した。これらの検討の結果、熱的に安定な4配位1,2-ヨードキセタンの酸化剤としての応用、三つの酸素原子がエクアトリアル位を、炭素原子が一つのアピカル位を占めたカルバホスファトランやカルバシラトラン、および5配位ケイ素原子あるいは7配位ケイ素原子同士が連結したジシランの合成に成功した。加えて、これらの関連化合物、リンとアルミニウムからなるホスファアラトラン、オレフィン重合活性を示すカチオン性シラノラトジルコニウム錯体、および電子供与能の最も高いアミノ(イリド)カルベンの創製にも成功した。このように独自に開発した配位子を活用して、従来の配位子では安定化し得なかった新規な有機高配位典型元素化合物を創製し、その構造、結合様式および反応性を明らかにするとともに、有機元素化学の発展に貢献する新構造に基づいた新しい知見を得ることができた。