著者
真島 和志 PANDA Tarun Kanti
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

前周期遷移金属、および、希土類金属錯体によるエチレンなどのオレフィン類およびブタジエンなどのジエン類の重合反応、また、ヒドロアミノ化やヒドロシリル化といった分子変換反応が盛んに研究されており、その触媒分子の設計は非常に重要な研究対象である。本研究においては、独自に見出した前周期金属-アミド錯体の付加反応を利用してα-ジイミン配位子、また、カルボジイミド配位子との組み合わせにより、ワンステップでチタン・ジルコニウム・ハフニウムを中心金属とする種々のアミド錯体の合成が可能であることを見出した。得られる錯体には非常に電子供与性の高いグアニジン部位が存在することから塩基性の高い金属-アミド結合部位を有しており、そのために不飽和有機分子に対する求核付加のみならず、炭素一水素結合の活性化が可能であることを明らかにした。近年、炭素-水素結合の活性化を利用したヒドロアミノアルキル化反応が活発になっており、その素反応をより容易に進行させるために必要な配位子設計に対する新たな指針を見出すことができた。さらに、希土類錯体においては電子的に大きな柔軟性を持ち、金属中心周りの他の配位子に応じて形状を自由に変えうるα-ジイミン配位子の導入に成功し、新たな希土類金属錯体群の合成法を確立することに成功した。この性質はオレフィン類やブタジエンの重合において、モノマーの立体的・電子的要因に応じてより活性な触媒金属中心を発生させるための触媒デザインにつながる新たな知見である。
著者
茶谷 直人 中尾 佳亮 村上 正浩 岩澤 伸治 伊東 忍 川口 博之 真島 和志 後藤 敬 城 宜嗣 林 高史
出版者
大阪大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

研究は、当初予定していた以上の成果を挙げることができました。領域全体として、5年間で発表した論文数は、1400報近くあり、多くの特許申請もありました。本領域は若手育成に積極的に取り組んできました。例えば、若手研究者の海外講演派遣・国際若手セミナーの開催をおこないました。企業との交流や共同研究への展開を促進することを目的として、企業班友を設立しました。HPだけでなく、班員の研究、トッピクスなどを紹介するニュースレターは、毎月1回、50号まで発行しました。さらに、国際シンポジウムの開催や分子活性化に関連するシンポジウムやセミナーなども主催あるいは、後援し、分子活性化の活動をサポートしてきました。