著者
斎藤 昭彦 丸山 仁司 新井 正一 橋本 光康 金場 敏憲 岩谷 力
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.35-43, 1998-12-25

この研究の目的は,MR画像から1)生体の大腿四頭筋全体あるいは個々の筋の各高位における筋断面積および筋容積を求め,臨床応用のための基礎データを提供すること,2)最大筋断面積や筋容積と,等運動性筋トルクとの関係性を検討し,最大断面積,筋容積といった筋形態学的情報から等運動性筋トルクの推定の可能性を探求することであった.健常大学生20名のMR画像から右大腿四頭筋の筋断面積および筋容積を求めた結果,大腿四頭筋の最大筋断面積は43±12.7cm^2,筋容積は1055±353cm^3であり,最大筋断面積と筋容積との間には相関係数0.981の高い相関が認められた.また,最大筋断面積,筋容積と,等運動性筋トルクとの間にも高い相関が認められ,MR画像からの形態学的情報である大腿四頭筋の最大筋断面積および筋容積から等運動性筋トルクの推定が可能であった.
著者
王 治文 張 〓 外里 冨佐江 飛松 好子 岩谷 力
出版者
東北文化学園大学
雑誌
リハビリテーション科学 : 東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 (ISSN:13497197)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.13-22, 2007-03

社会的不利は障害を受けた個人が従来の役割を果すことに制限を受けることと考えられる.社会的不利の測定が重要であるにも関わらず,台湾では信頼性と妥当性が確認された尺度はない.この研究の目的は広く用いられる社会的不利の尺度Craig Handicap Assessment and Reporting Technique-Short Form (CHART-SF)の信頼性を繰り返してストにより検証することである.我々はCHARTの原作者の許可を得,CHART-SFとその採点法を中国語に翻訳し逆翻訳と確認作業を行った.信頼性の検証は再テスト法を用い,21名の脊髄損傷者に電話インタビューで行われた.分析はピアソンの積率相関係数と対応のあるt検定を使用した.結果では,社会統合領域以外CHART-SFのすべての領域において1回目と2回目のテスト間の相関係数は0.80以上であり,すべての項目回答において有意な相関があり有意な差はなかった.この結果からCHART-SF中国語版は社会的不利を測定するための信頼できる尺度であることを検証した.