著者
合志 清一 和泉 吉則 苗村 昌秀 福田 淳 岩館 祐一 山北 淳 山口 孝一 二宮 佑一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.1573-1584, 1994-12-20
被引用文献数
3

現在, 1日10時間の実用化試験放送が行われているハイビジョンは, その開発から7年が経過している.ハイビジョンの画質は, その審議過程からも明らかなように充分なレベルにある.しかし, 高画質化は時代の趨勢とともに, 常に求められる要求である.我々は, 現在までに動領域の解像度を向上させる手法について検討を進めてきた.今回, これらの検討結果を踏まえ, 静止領域の解像度を向上, 折り返しの低減等も考慮して, 高画質化エンコーダおよび高画質化デコーダを試作した.この新信号処理方式は, 現行処理方式と比較して画質が向上するだけでなく, 現行受信機とも良好な互換性を保っている.
著者
岩館 祐一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.1579-1587, 1990
被引用文献数
3 1

現在, MUSE方式を用いたハイビジョンの実験放送が行われているが, 本格的な実用化を前にMUSE信号に対する伝送路の許容周波数特性を明らかにすることが求められている.伝送歪みと画質の関係は必ずしも1対1ではなく, 同じ画質を与える歪み波形は無数に存在する.したがって, 許容特性を求めるに当っては, 歪みと画質の関係を整理した上で, 主観評価実験を行う必要がある.本論文では, 伝送歪みがデコーダでサンプリングされることにより, 離散的な歪みになることに着目し, これをエコーの集合として扱う.その上で, 各エコーによる画質劣化度がロジスティク関数で表わされることを示す.また, 複数のエコーによる画質劣化の主観評価値がこれらのロジスティク関数の合成式で表せることを実験的に示す.さらに, 許容周波数特性を求める際には, エコーがリップル状の偏差を持つ周波数特性により生じることから, 一般的な周波数特性を周期の異なるリップル特性の合成として考えた上で, ロジスティック関数の合成式を用いて求めるている.