著者
岩﨑 昌子
出版者
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院 = Graduate School of International Media, Communication, and Tourism Studies, Hokkaido University
雑誌
国際広報メディア・観光学ジャーナル
巻号頁・発行日
vol.6, pp.91-111, 2008-03-21

Since 1990s, the EU countries which have accepted many immigrants from the third-countries force the immigrants to acquire their national language. Norway, which is not the member of the EU, also approved the legislation which virtually obliges immigrants to learn Norwegian in 2006. This paper analyzes the reason why Norway, which has been considered one of the most liberal states towards immigrants, shifted her language policy towards immigrants by utilizing Esping-Andersen's concept, ‘the Welfare Regimes’. I conclude that the “Social Democratic Regime” itself required the transition of the policy. This is because language is a vital means to integrate immigrants into the labour market without their commodification and stratification.
著者
岩﨑 昌子
出版者
北ヨーロッパ学会
雑誌
北ヨーロッパ研究 (ISSN:18802834)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.39-48, 2009

ノルウェーの新右翼政党 「進歩党」 は、1980年代後半から、流入する移民の急増とともに台頭を始めた。従来のノルウェーの移民政策は、移民を「ノルウェー語を話せない」ハンディキャプトと見なし、ネイティブ・ノルウェー人との社会的平等を図るための特別の支援を行うというものであった。進歩党は、これをノルウェー人への逆差別であると批判する。この主張は、多文化化が進行する中で有権者から一定の支持を得るが、既存政党が従来の路線に結集する中で、進歩党は徐々に反移民票を失う。その結果、ノルウェーの移民政策は従来の路線を踏襲することとなった。これは、移民を福祉国家の「社会的連帯」の範疇に含めることに、ネイティブが同意したことを意味すると考えられるだろう。この「社会的連帯」の再構築は、 進歩党が移民問題を政治アリーナに持ち込んだことによって、初めて確固たるものとなったのではないかと考えられる。
著者
岩﨑 昌子
出版者
北ヨーロッパ学会
雑誌
北ヨーロッパ研究 (ISSN:18802834)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-11, 2013 (Released:2018-10-01)

ノルウェーの新右翼政党、進歩党は、議会で野党第1 党の議席を占め、政権入りも近いといわれる。進歩党は、1980 年代後半から排外主義的な主張を掲げて勢力を拡大したが、完全に議会内に定着してしまうと、過激な主張をやめ、穏健化してしまった。進歩党のこの路線変更はいったい何のためであったのか。本稿の目的は、進歩党が、反移民とウルトラ・ナショナリズムを基軸とする諸外国の新右翼政党とは異なり、状況に合わせて政策を自在に変化させて成長を続けてきたポピュリズム政党であると証明することにある。進歩党にとって移民政策は、単に有権者の注目を集めて支持を拡大し、議会に定着して、政権に招聘されようという成長戦略の「道具」に過ぎなかったのである。