著者
見山 孝子 坂田 義美 島田 洋二郎 荻野 祥樹 渡辺 麻麗香 板本 和仁 奥田 優 VERDIDA Rodolfo A. 玄 学南 長澤 秀行 猪熊 壽
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.467-471, 2005-05-25
被引用文献数
4 55

関東以北の犬のBabesia gibsoni感染状況を調べる目的で, 2003年4月から10月までの間, 関東以北の13都県の動物病院を対象として調査を行った.B.gibsoni感染症を疑った犬115頭の末梢血, および血清または血漿を採取し, B.gibsoni特異的PCRおよびELISAを用いて感染の有無を確認した.115頭のうち青森, 福島, 茨城, 群馬, 千葉, 東京, 神奈川, 長野8都県の35頭が, PCRもしくはELISAで陽性を示した.陽性犬35頭の品種は, 土佐犬28頭, アメリカン・ピット・ブル・テリア4頭, 雑種3頭であった.陽性犬におけるマダニ寄生歴が明らかなものは3例だけであり, 感染経路としてマダニ以外の要因が関与することが考えられた.陽性犬35頭のうち, 22頭でhemoplasmaの感染が確認され, この割合はB.gibsoni陰性犬よりも有意に高かった.