著者
嶋田 容子 志村 洋子 小西 行郎
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.112-117, 2019-03-01 (Released:2019-09-01)
参考文献数
19
被引用文献数
2

幼児の聴覚は成人とは異なり,雑音下における選択的聴取の能力が十分に発達していない。本研究では,幼児にとって生態学的に必要性の高い音をシグナルとし,雑音下での聴取力の発達変化を4~6歳児70名を対象に検討した。実験は,交通音や多人数音声を背景雑音とし,車・バイクの通過音や呼びかけ音声等のターゲットを検知するクイズ形式で実施した。実験に先立ちOAEにより基本的な聴力を確認した。実験の結果,4歳児と5及び6歳児との間に有意差があり,雑音下での聴取能力が4歳以降で顕著に発達することが示唆された。発達途上の幼児の音環境はこのような聴覚特性を踏まえて検討する必要がある。
著者
嶋田 容子 板倉 昭二
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.337-339, 2007-07

母親による乳児の泣きの音声の擬音語でのとらえ方,また擬音語表現と解釈との関連を質問紙によって調査した。比較的単純な擬音語が欲求として解釈され,この解釈には共通性が高かった。多様な変化を含む擬音語表現は,感情と解釈され,さらに乳児の手足の動きを伴うことが高い頻度で記述された。