著者
宮崎 美津代 増田 健二郎 佐藤 幸一 藤野 修 長田 淳一 岡 耕一 川井 尚臣 三ツ井 貴夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.84, no.4, pp.624-626, 1995-04-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
7

症例は55歳,男性.中腰で天井の内装を1日中続けた後,腰部から大腿部に強い筋痛が出現した.尿は暗褐色に着色し,血清CK活性値が46000IU/l,血清Mb値が32000ng/mlと高値を示したため,着色尿は横紋筋融解によるミオグロビン尿と考えられた.腎障害はなく,発症後1週間で改善した.本例の筋障害は長時間の同一肢位保持による筋の等尺性負荷によると考えられ,静的な運動負荷でも横紋筋融解をきたす強い筋障害をおこすことがある.
著者
足立 克仁 川井 尚臣
出版者
Japanese Society of National Medical Services
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.38-41, 2008

本文では当院における神経・筋疾患のセカンドオピニオン外来の概略を示す. 当院の患者は介護を要する肢体不自由者が多いため介護者にも配慮し休日でも対応できることが望ましいこと, 平日では医師の配置がしにくいことなどの理由から土曜日に開設した. また神経・筋疾患患者は病気が長期にわたるため, 主治医とのつながりが強く, 紹介状を持参できない場合が多いこと, 本疾患の診断は問診と診察が重要で紹介状がなくても病状把握ができることが多く, 検査資料のみでも疾患の理解に役立つことが多いこと, などの理由から紹介状の有無にかかわらず受け付けることが望ましいと考えた. また, 経過観察も重要であることが多いので期間を置いて複数回相談の必要性が高い. このため相談医の人選はローテート医は不向きで経験豊富な専門医, 可能なら少人数複数が望ましい. 料金の設定には取り扱う疾患や地域の特殊性などに配慮を要する. さらにほかに神経・筋疾患の専門施設が少ないため, 当院での精査の必要が生じることもある. 本疾患は慢性に経過し治療が困難なため放置されやすいので, 機会ある毎にセカンドオピニオン外来をアピールし患者の要望に応える必要があると考えている.