著者
熊野 七絵 川嶋 恵子
出版者
独立行政法人国際交流基金
雑誌
国際交流基金日本語教育紀要 (ISSN:13495658)
巻号頁・発行日
no.7, pp.103-117, 2011-03

今、世界中で日本のアニメ・マンガは大人気であり、日本語学習者の多くがアニメ・マンガをきっか けに日本語を学び始めると言われている。しかし、アニメ・マンガの日本語には、教科書や辞書には載 っていない表現も多く、アニメ・マンガを日本語で理解するのは難しい。そこで、関西国際センターで は、趣味から日本語学習への橋渡しとなるサイトをめざし、海外で人気のあるアニメ・マンガに現れる キャラクターやジャンルの日本語を楽しく学べるE ラーニングサイト「アニメ・マンガの日本語」を 開発した。海外の現状や学習者のニーズ調査に基づき、(1)アニメ・マンガと日本語学習をつなぐ(2) 学習者の好きなアニメ・マンガの世界観を生かす(3)楽しく学べ、自律学習につながるをサイト開 発の基本方針とした。サイト公開後、8ヶ月で168カ国から155万ページビューを超えるアクセスがあり、 ユーザーの声をサイト改善に生かしている。
著者
川嶋 恵子 和栗 夏海 宮崎 玲子 田中 哲哉 三浦 多佳史 前田 純子 Keiko KAWASHIMA Natsumi WAGURI Reiko MIYAZAKI Tetsuya TANAKA Takashi MIURA Sumiko MAEDA
出版者
国際交流基金
雑誌
国際交流基金日本語教育紀要 (ISSN:13495658)
巻号頁・発行日
no.11, pp.37-52, 2015

JF 日本語教育スタンダード準拠の海外の成人向け教科書『まるごと日本のことばと文化』の開発に合わせ、関西国際センターでは、この教科書を使って学ぶ学習者のためのサポートサイト「まるごと+(まるごとプラス)」を開発した。「『日本語を使ってできること』が増やせる」、「『リアリティ』のある練習ができる」、「大人が『楽しく使える』」の3つをキーコンセプトとして定め、課題遂行を意識した練習、異文化理解のための情報やきっかけを提供するサイトを目指すこととした。「まるごと+」は教科書の「入門A1」、「初級1 A2」の2つのレベルに対応した種々のコンテンツを提供しており、動画を使った会話練習や異文化理解のためのコンテンツを中心に、学習者や教師から好評を得ている。本稿では、「まるごと+」の開発方針とそれをどのように具現化したか、また、サイトの反響を報告する。