著者
川嶋 恵子 和栗 夏海 宮崎 玲子 田中 哲哉 三浦 多佳史 前田 純子 Keiko KAWASHIMA Natsumi WAGURI Reiko MIYAZAKI Tetsuya TANAKA Takashi MIURA Sumiko MAEDA
出版者
国際交流基金
雑誌
国際交流基金日本語教育紀要 (ISSN:13495658)
巻号頁・発行日
no.11, pp.37-52, 2015

JF 日本語教育スタンダード準拠の海外の成人向け教科書『まるごと日本のことばと文化』の開発に合わせ、関西国際センターでは、この教科書を使って学ぶ学習者のためのサポートサイト「まるごと+(まるごとプラス)」を開発した。「『日本語を使ってできること』が増やせる」、「『リアリティ』のある練習ができる」、「大人が『楽しく使える』」の3つをキーコンセプトとして定め、課題遂行を意識した練習、異文化理解のための情報やきっかけを提供するサイトを目指すこととした。「まるごと+」は教科書の「入門A1」、「初級1 A2」の2つのレベルに対応した種々のコンテンツを提供しており、動画を使った会話練習や異文化理解のためのコンテンツを中心に、学習者や教師から好評を得ている。本稿では、「まるごと+」の開発方針とそれをどのように具現化したか、また、サイトの反響を報告する。
著者
荒川 友幸 和栗 夏海 Tomoyuki ARAKAWA Natsumi WAGURI
出版者
国際交流基金
雑誌
国際交流基金日本語教育紀要 (ISSN:13495658)
巻号頁・発行日
no.3, pp.123-133, 2007

カザフスタンは、日本の文化的プレゼンスが希薄で、日本語の実際的需要が希少な状況ある。日本センターの初級クラスでは、日本事情・文化紹介を授業中に行うことも重視しているため、日本語の語学学習時間数が限られてくる。そこで、『みんなの日本語』の各文法項目を重要度・難易度・使用可能性を勘案して、授業中に扱う比重を変えた。例えば、14課はテ形が最重要項目であるので、練習Aの「2.左へまがってください」は授業中に定着、使用できるところまで練習するが、「4.てつだいましょうか」は紹介するだけある。海外の現場では、日本国内の学習者向けに開発された教科書が使用されてきた。しかし、学習時間数や期間、そして学習者を取り巻く日本語環境が大きく異なることから、海外の環境に適合した教科書の開発が待たれている。本稿は、その第一歩として位置づけることもできる。