著者
鹿角 孝男 川村 實 薩摩林 光 西沢 宏 村野 健太郎
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.75-80, 2002-01-10
被引用文献数
3

2000年8月から9月にかけて,関東,中部,東海地方の広い範囲で環境基準を超える高濃度の二酸化硫黄(SO_2)が観測され,異臭騒ぎが発生した。長野県内でも高濃度のSO_2が観測され,9月13日の1時間値の最高濃度は県南部の飯田市で383ppbを記録し,北部の長野市でも76ppbに達した。後方流跡線の解析結果から,これらは活発に活動している三宅島の火山ガスが原因であると考えられた。このような火山ガスの影響を調べるため,長野県北部の長野市,八方尾根および白馬村において4段ろ紙法によるガス・エアロゾルの測定を実施した。その結果,エアロゾル中の硫酸イオン(SO_4^2-)は9月14日10〜14時に長野市で44.4μg/m^3の高濃度が出現し,八方尾根と白馬村でも15日12〜18時に30μg/m^3を超えた。陰イオンの過剰分を水素イオン(H^+)と仮定して算出した3地点の粒子状硫酸(H_2SO_4)の濃度は,長野市,八方尾根,白馬村でそれぞれ21〜33,11〜21,6.8〜18μg/m^3の範囲内にあると推定され,SO_4^2-に占めるH_2SO_4の比率(モル比)は,それぞれ46〜72,34〜65,22〜58%と,濃度,比率とも極めて高い値であったと推定された。
著者
内田 英夫 川村 實 中込 和徳 野溝 春子 二木 克巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.398, pp.7-12, 2003-10-24

射撃場から1km離れた別荘地域で騒音苦情が発生したため,射撃音の調査を行った.射撃音の指向性は,左右対称で,射撃の前方では後方に比べて25dB以上大きい強い指向性を示した.射撃場内で160mまでの地点で距離減衰を計算すると155-13.8×lo9(r^2)となり,倍距離6dBの距離減衰よりやや大きかったが,別荘地域までで計算するとさらに0.5dB/100m程度の減衰があった.射撃場の対岸にあたる別荘地域の標高別の調査では,射撃場が見通せる位置から射撃音が大きくなっており,遮音壁で問題となる別荘地が見通せなくなれば騒音が低減することが示唆された.しかし,射撃場斜面に遮音壁を作ることはコストがかさむので,指向性の点から一番騒音レベルが高くなる射撃地点を使用禁止にする処置で騒音レベルがどのように低減するかなどの検討も行った.