著者
川田 進 カワタ ススム Kawata Susumu
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.1-16, 2012-10

2010年4月、中国青海省のチベット人居住地区で大震災が発生した。ラルン五明仏学院(四川省色達県)は即座に救援隊を派遣し、医療を中心とした支援活動を展開した。本稿は救援隊に参加した漢人信徒の手記にもとづき、ソーシャル・キャピタルと中国政府の新たな宗教政策という2 つの視点から、チベット仏教組織が行った社会貢献活動の内容と意義を明らかにする。
著者
川田 進
出版者
大阪工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究における最大の成果は、現地調査と文献調査を通して、四川省チベット地区における民族問題と宗教問題の現状を検証したことである。2年間にわたる研究成果の概要を以下に示す。1.四川省カンゼ州にて、現地調査を実施した。2004年8月、五明仏学院(四川省セルタ県)にて、中国共産党が行った宗教弾圧事件の調査を実施した。テンジン・ギャムツォ副院長へのインタビューを行った。ヤチェン修行地(四川省ペユル県)にて、カリスマ性を持つ宗教指導者を中心とした修行地の構造を調査した。アチュウ法王へのインタビューを行った。2.2005年12月、中国国家図書館にて、中国の宗教学・民族学・政治学に関する文献調査を実施した。3.陳暁東のルポルタージュ「ニンマの紅い輝き」を分析することで、五明仏学院事件の遠因を分析した。4.中国政府が掲げる民族政策・宗教政策の内容と東チベットにおける実情の相違を明らかにした。5.デルゲ印経院における政治と宗教の軋轢について、聴き取り調査を行った。6.インターネット上に構築された、中国人によるチベット仏教の受容状況について調査した。7.上記の調査に基づき、研究論文を6編執筆した。
著者
川田 進 Kawata Susumu カワタ ススム
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.1-16, 2012-10

2010年4月、中国青海省のチベット人居住地区で大震災が発生した。ラルン五明仏学院(四川省色達県)は即座に救援隊を派遣し、医療を中心とした支援活動を展開した。本稿は救援隊に参加した漢人信徒の手記にもとづき、ソーシャル・キャピタルと中国政府の新たな宗教政策という2 つの視点から、チベット仏教組織が行った社会貢献活動の内容と意義を明らかにする。
著者
川田 進
出版者
大阪工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は以下の二つの仮説を実証することを目的とした。「チベット問題を読み解く鍵は東チベットにある」。「東チベットの宗教上を読み解く鍵は漢人信徒にある」。前者の仮説証明は概ね達成することができたが、後者は継続調査が必要である。調査対象地域は当初四川省カンゼチベット族自治州とアバ羌族チベット族自治州を予定していた。しかし、研究期間中に「2008年チベット騒乱」が発生したことにより、青海省内のチベット人居住地区も調査対象に加えた。「2008年チベット騒乱」について、その動向を時系列に追い、発生の原因と特徴をつかむことができた。中国共産党の宗教政策を検討するためにラルン五明仏学院とヤチェン修行地にて定点観測を実施した。統一戦線活動の実態を知る上で、ゲダ5世・ゲダ6世と中国共産党の政治的結びつきを明らかにした。