著者
山下 直美 葛岡 英明 平田 圭二 工藤 喬 荒牧 英治 服部 一樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.981-993, 2017-05-15

本論文では,2つの調査に基づいて,うつ病患者の家族介護者を支援するための知見を述べる.1つ目の調査では,患者の気分の上下や予期せぬ振舞いなどに対処する家族介護者の介護活動の現状とニーズを把握する.その調査結果をふまえて介護記録Webアプリケーション「みまもメイト」を開発する.2つ目の調査では,家族介護者がみまもメイトを6週間にわたって利用することによって,家族介護者のうつ病患者に対する関わり方や患者との人間関係がどのような影響を受けたかを調べる.利用後のインタビュー調査から,家族介護者がみまもメイトを利用することによって,自身の介護活動を客観的に見つめ直す効果がある(第三者視点の導入)ことが分かった.さらに興味深いことに,みまもメイトは患者,病気,家族介護者の間の関係を変化させ,これによって,家族介護者とうつ病患者間のコミュニケーションを改善する効果があることも分かった.具体的には,みまもメイトを用いることによって,家族介護者単独で病気をかかえる患者に対処するという構図(家族介護者vs.患者+病気)から,患者と家族介護者が協調しながら病気に立ち向かうという構図(家族介護者+患者vs.病気)へと変化した.
著者
山下 直美 葛岡 英明 平田 圭二 工藤 喬
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.1706-1715, 2014-07-15

本論文の目的はうつ病患者の家族看護者が直面する困難を明らかにし,家族看護者が生活の質を維持するために必要なICT支援について提案を行うことである.そのため我々は,家族のうつ病患者を看護した経験がある成人15名に対面インタビューを行い,分析を行った.その結果,家族看護者が抱える矛盾や葛藤,家族看護者が自身のストレス軽減のために取っている方策,そして情報技術が彼らの日常生活に果たしている機能が明らかになった.この調査結果に基づき,うつ病患者の家族看護者に対するICT支援方法を検討した.
著者
山下 直美 葛岡 英明 平田 圭二 工藤 喬 荒牧 英治 服部 一樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.981-993, 2017-05-15

本論文では,2つの調査に基づいて,うつ病患者の家族介護者を支援するための知見を述べる.1つ目の調査では,患者の気分の上下や予期せぬ振舞いなどに対処する家族介護者の介護活動の現状とニーズを把握する.その調査結果をふまえて介護記録Webアプリケーション「みまもメイト」を開発する.2つ目の調査では,家族介護者がみまもメイトを6週間にわたって利用することによって,家族介護者のうつ病患者に対する関わり方や患者との人間関係がどのような影響を受けたかを調べる.利用後のインタビュー調査から,家族介護者がみまもメイトを利用することによって,自身の介護活動を客観的に見つめ直す効果がある(第三者視点の導入)ことが分かった.さらに興味深いことに,みまもメイトは患者,病気,家族介護者の間の関係を変化させ,これによって,家族介護者とうつ病患者間のコミュニケーションを改善する効果があることも分かった.具体的には,みまもメイトを用いることによって,家族介護者単独で病気をかかえる患者に対処するという構図(家族介護者vs.患者+病気)から,患者と家族介護者が協調しながら病気に立ち向かうという構図(家族介護者+患者vs.病気)へと変化した.
著者
設樂 一碩 田中 宏季 足立 浩祥 金山 大祐 阪上 由香子 工藤 喬 中村 哲
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4F3OS25b05, 2020 (Released:2020-06-19)

認知行動療法(CBT)は,非適応的な思考や行動を修正し,抱えている問題の解決に取り組むトレーニングである.我々は音声対話エージェント(ECA)との音声対話による低コストかつ高い効力を有したCBTの自動化を目指しており,これにはセッションごとの詳細な影響分析が重要であると考える.本研究では初期段階として,CBTの技法の一つである認知再構成法に基づく7つの質問による基本対話システムを作成した.テキスト対話で提示した場合と,ECAを用いて提示した場合の2種類の対話形式を用意し,初期の抑うつ尺度,セッション前後の否定的感情の変化(トレーニングの効果),CBTの達成度,ラポール尺度を28名の大学生と大学院生から測定した.結果として,研究協力者の否定的感情において,事前事後での有意な変化を確認した(25名で改善).また,対話中の表情の特徴量抽出も行った.分析の結果,否定的感情の強度,抑うつ尺度の評点に対し,特定の表情の特徴との有意な相関関係が見られた.
著者
山下 直美 葛岡 英明 平田 圭二 工藤 喬
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.1706-1715, 2014-07-15

本論文の目的はうつ病患者の家族看護者が直面する困難を明らかにし,家族看護者が生活の質を維持するために必要なICT支援について提案を行うことである.そのため我々は,家族のうつ病患者を看護した経験がある成人15名に対面インタビューを行い,分析を行った.その結果,家族看護者が抱える矛盾や葛藤,家族看護者が自身のストレス軽減のために取っている方策,そして情報技術が彼らの日常生活に果たしている機能が明らかになった.この調査結果に基づき,うつ病患者の家族看護者に対するICT支援方法を検討した.In this paper, we aim to uncover the challenges faced by family caregivers caring for a depressed sufferer and consider ways to support their well-being with the use of technology. To understand the burden of caregivers and how they handle their stress, we conducted in-depth interviews with 15 individuals who have cared for a depressed family member. Through the interviews, we describe the multifaceted dilemma they faced. Based on our findings, we suggest design implications for technologies to improve the wellness of caregivers who are looking after depressed family members.
著者
森原 剛史 武田 雅俊 工藤 喬 田中 稔久
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

NSAID誘導体によるAβ42産生の抑制作用は認められなかった。背景遺伝子を混合させたAPPトランスジェニックマウスはAβ蓄積を修飾する遺伝子群の収集には大変有効であった。候補遺伝子アプローチで炎症関連遺伝子の関与を調べたが、有意な関係は認められなかった。高齢者の血中CRPと認知機能の変化の関係は本研究機関では認められなかった。