著者
益戸 智香子 小川 ゆかり 山下 直美 三原 潔
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.139, no.1, pp.113-122, 2019-01-01 (Released:2019-01-01)
参考文献数
41

Benzodiazepine receptor agonists (BZDRAs) have been associated with an increased risk of falls in the elderly. However, the association between the elimination half-life (t1/2) of BZDRAs and the difference between benzodiazepines (BZDs) and non-benzodiazepines (Z-drugs) has not been clarified. By conducting a meta-analysis of observational studies, we compared the risk of falls with respect to 1) short-acting BZDRAs (t1/2<12 h) vs. long-acting BZDRAs (t1/2≥12 h) and 2) BZDs vs. Z-drugs in elderly patients. Data were retrieved from MEDLINE, the Cochrane Library, and Igaku Chuo Zasshi. In total, 13 observational studies from 12 articles were included in our study (short-acting BZDRAs, n=12; long-acting BZDRAs, n=9; BZDs, n=13; Z-drugs, n=7). The risk of falls was significantly increased by the use of short-acting BZDRAs [Odds ratio (OR) (95% Confidence interval (CI)): 2.00 (1.46-2.73)], long-acting BZDRAs [OR (95%CI): 2.16 (1.61-2.89)], BZDs [OR (95%CI): 1.67 (1.31-2.13)], and Z-drugs [OR (95%CI): 2.42 (1.35-4.34)] compared to the risk in BZDRAs non-users. The increased risk of falls in elderly patients was similar in each group and unrelated to t1/2. This study suggested that all BZDRAs including Z-drugs should be avoided in elderly patients.
著者
山下 直美 葛岡 英明 平田 圭二 工藤 喬 荒牧 英治 服部 一樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.981-993, 2017-05-15

本論文では,2つの調査に基づいて,うつ病患者の家族介護者を支援するための知見を述べる.1つ目の調査では,患者の気分の上下や予期せぬ振舞いなどに対処する家族介護者の介護活動の現状とニーズを把握する.その調査結果をふまえて介護記録Webアプリケーション「みまもメイト」を開発する.2つ目の調査では,家族介護者がみまもメイトを6週間にわたって利用することによって,家族介護者のうつ病患者に対する関わり方や患者との人間関係がどのような影響を受けたかを調べる.利用後のインタビュー調査から,家族介護者がみまもメイトを利用することによって,自身の介護活動を客観的に見つめ直す効果がある(第三者視点の導入)ことが分かった.さらに興味深いことに,みまもメイトは患者,病気,家族介護者の間の関係を変化させ,これによって,家族介護者とうつ病患者間のコミュニケーションを改善する効果があることも分かった.具体的には,みまもメイトを用いることによって,家族介護者単独で病気をかかえる患者に対処するという構図(家族介護者vs.患者+病気)から,患者と家族介護者が協調しながら病気に立ち向かうという構図(家族介護者+患者vs.病気)へと変化した.
著者
田中 一晶 山下 直美 中西 英之 石黒 浩
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.1108-1115, 2016-04-15

ヒューマノイドロボットの遠隔操作と自律操作の本質的な違いは遠隔地にいる操作者の存在の有無と考えることができる.この存在の有無をユーザがどのように判断しているのかはいまだよく分かっていない.その判断のメカニズムを明らかにすることによって,自律ロボットとの対話を人との対話のように感じさせることが本研究の目的である.被験者が遠隔操作状態と自律状態のロボットとそれぞれ対話する実験を行った.その結果,自律状態のロボットとの対話における操作者の存在感は,遠隔操作状態であると“信じて”同じロボットと対話した事前の経験に基づいて判断されることが分かった.自律状態での対話の質が事前の経験での対話の質と乖離していると操作者の存在感は低下してしまうが,事前の対話において自律システムが操作者を装ってユーザと対話し,両状態を曖昧化することで,操作者の存在感を効果的に生み出すことができた.
著者
山下 直美 葛岡 英明 平田 圭二 工藤 喬
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.1706-1715, 2014-07-15

本論文の目的はうつ病患者の家族看護者が直面する困難を明らかにし,家族看護者が生活の質を維持するために必要なICT支援について提案を行うことである.そのため我々は,家族のうつ病患者を看護した経験がある成人15名に対面インタビューを行い,分析を行った.その結果,家族看護者が抱える矛盾や葛藤,家族看護者が自身のストレス軽減のために取っている方策,そして情報技術が彼らの日常生活に果たしている機能が明らかになった.この調査結果に基づき,うつ病患者の家族看護者に対するICT支援方法を検討した.In this paper, we aim to uncover the challenges faced by family caregivers caring for a depressed sufferer and consider ways to support their well-being with the use of technology. To understand the burden of caregivers and how they handle their stress, we conducted in-depth interviews with 15 individuals who have cared for a depressed family member. Through the interviews, we describe the multifaceted dilemma they faced. Based on our findings, we suggest design implications for technologies to improve the wellness of caregivers who are looking after depressed family members.
著者
吉野 孝 林 良彦 山下 直美
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

多言語間コミュニケーションの方法として,機械翻訳を用いる方法と用例対訳を用いる方法がある.本研究では,多言語間コミュニケーションの高信頼化のために,折り返し翻訳の高信頼化に関する研究,多言語用例対訳の高信頼化に関する研究を行った.さらに,上記の研究成果を応用した,医療分野および教育分野を対象とした多言語支援ツールの構築に関する研究を行った.
著者
山下 直美 石田 亨 野村 早恵子 早水 哲雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.3355-3363, 2002-11-15
被引用文献数
1

電子メールを用いたコミュニケーションは,その情報伝達できる内容の乏しさゆえ,誤解や論争の発生などの問題点が指摘されている.このような問題に対し,これまでのComputer Supported Cooperative Workに関する研究では,人の存在感や雰囲気(すなわち``awareness'')を伝達可能なリッチなメディアを使うことが重要であるとされてきた.しかし一方で,電子メールや電子掲示板という多義性の高いメディア(すなわち``リーンメディア'')でも協調作業が成功する例が報告されている.我々は先にオープンソースソフトウェアの開発を分析し,action-biasedな行動様式が生まれていることなどを明らかにした.本論文では電子メール上の組織的な交渉例(実際に行われた国際会議の統合)を取り上げ,awarenessのない状況でいかに協調作業が成功したかについて分析する.この結果,1. 明確に対立意見を述べながらも対立相手をぼかす無指向性(omuni-directional)なコミュニケーションが頻繁に行われている,2. 電子メール会議の特徴を生かし,少人数グループがアドホックに次々と作られていることが分かった.これらの観測結果は,電子メールにおける``awareness''の欠如を克服しようとした結果,生じた現象であると考えられる.Owing to the characteristics of electronic media, such as lack of socialcontext cues and social presence, various problems may arise when communicating through it. In order to resolve such problems, many CSCW researchers have emphasized ``awareness,'' and proposed several advanced tools. On theother hand, cases do exist which have succeeded in collaboration throughlean media, such as open source software development. In this paper, wedescribe findings from the case where three independent internationalconferences unified successfully only through the email discussions. Thisachievement is particularly impressive as email is not adequate to suchsensitive decision making discussions. From our detailed observation andquantitative analysis of over 800 email messages, following two findingsare presented: 1. avoiding straightforward opinions is effective whendealing with sensitive issues, and 2. ad hoc small group discussions areuseful in achieving agreement among large number of discussion members. Through this research, we found out that lack of awareness can be effective when holding complicated negotiations via electronic media.
著者
野村 早恵子 石田 亨 船越 要 安岡 美佳 山下 直美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.503-511, 2003-05-15
被引用文献数
27

インターネットを介したアジアワイドな協調作業を支援するため,異文化コラボレーション実験(ICE2002)を実施した.日中韓馬の5大学からの40名の教員・学生が,日中韓馬英の5カ国語の機械翻訳を組み込んだ多言語ツール,TransBBSとTransWebを介して母国語でオープンソースソフトウェア開発を行った.今後,国際プロジェクトの現場で実用に耐える異文化コラボレーション環境の開発を目指す予定である.
著者
山下 直美 坂本 知子 野村 早恵子 石田 亨 林 良彦 小倉 健太郎 井佐原 均
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.1276-1286, 2006-04-15
被引用文献数
11

機械翻訳を介したコミュニケーションを通じて相互理解を実現するためには,翻訳精度の向上とともに相互作用性の向上が重要である.我々は機械翻訳に対するユーザの適応行動の1 つである原文の書き換えに注目した.本論文では,ユーザが母国語だけを用いて原文の書き換え作業を行う方法として折り返し翻訳を検討し,折り返し翻訳を用いてユーザが書き換え作業をする際の作業量を減らす支援方法を考案する.本研究でユーザの折り返し翻訳作業に関する実験を実施,分析した結果,以下の知見を得た.1) 母国語に関する知識が豊富なユーザほど機械翻訳に容易に適応でき書き換え作業量が少なかった.2) ユーザに事前に「良い翻訳結果を得るためのルール集合」の教示を行うと,母国語に関する知識が豊富でないユーザも機械翻訳に容易に適応できるようになり,書き換え作業量が大幅に減った.3) ただし,原文をどのように変更すべきかを明示しない「操作自由型ルール」に対する教示効果は薄く,これらのルール獲得にかかる書き換え作業量は大きく減少しなかった.原文をどのように変更すべきかを明示した「操作指示型ルール」に対する教示効果は高く,これらのルール獲得にかかる書き換え作業量は大きく減少した.4) ルールの教示は,母国語に関する知識が中位のユーザに最も効果的であった.Translation refinement is often observed when users communicate via machine translation systems. In this study, we analyzed user's translation refinement process through a controlled experiment. In the experiment, users translated sentences using a Japanese-English-Japanese turn-back translation. From the analysis, we discovered the following results: 1) The more knowledge users had about the source language, the better users could refine the original text, 2) Rule instruction was very effective in user's adaptation. Users who were reminded of the rules refined the original text ahead of other users, 3) Instructing operational rules were effective in helping user's adapation, while conditional rules were not as much effective. 4) Rule instruction was most effective to those who had midium knowledge in their source languages.