著者
福井 翔 上野 博史 柄本 浩一 浜洲 拓 平山 和子 谷山 弘行 泉澤 康晴
出版者
日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.889-892, 2011-11-20
参考文献数
9

12歳齢,避妊雌,ゴールデンレトリーバーが頻回の全身性けいれん発作を主訴に来院した.頭部MRI検査により右側嗅葉部に腫瘤を認めた.経前頭洞開頭術により腫瘤を摘出し,病理組織検査に供したところ,組織球肉腫と診断された.ロムスチンを用いた化学療法を実施し,第195病日における頭部MRI検査では腫瘤の再増殖は認められなかった.しかしながら,第278病日に呼吸不全により死亡した.肺や四肢原発の組織球肉腫同様,頭蓋内原発の組織球肉腫に対しても外科的摘出後に化学療法を行うことで生存期間が延長する可能性が示唆された.
著者
賀川 由美子 青木 聡視 岩富 俊樹 山口 守 籾山 紀子 平山 和子 谷山 弘行
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.863-865, s・vi, 1998-07-25
被引用文献数
3 12

イヌ, 8歳, 雌の頭頂部皮膚ならびに歯肉に, 多数のマクロファージと少数の好中球の浸潤からなる灰白色の肉芽腫性丘疹が認められた.浸潤マクロファージは腫大し, 多数の卵円形の酵母様真菌を含んでいた.酵母様真菌は直径2-5μm, 周囲にハローを持ち, PAS染色, グロコット染色に陽性を示し, 免疫組識化学的に抗ヒストプラズマ(yeast)抗体に陽性を示した.本例は日本におけるイヌヒストプラズマ感染症の初発例である.