著者
森岡 真也 鈴木 敏和 吉田 均 上野 博史 宇塚 雄次
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.95-101, 2018-09-25 (Released:2019-09-25)
参考文献数
25

人の医療ではCT室内の散乱線量や散乱線分布に関する報告は数多くあるが,動物医療におけるCT撮影時の具体的な散乱線量の調査は見当たらない。そこで今回,動物病院におけるCT検査時のCT室内の散乱線量を測定した。実際の臨床現場で使用する撮影条件を用いてCT室内の散乱線空間マッピングを,頭部・胸部・腹部・骨盤撮影ごとに作成した。マッピングの測定は,床からの高さは50,100,150,200 cmの4平面で行い,全260箇所で行なった。その結果,骨盤撮影時のガントリー中心から尾側50 cm離れた寝台上で最大の133 μSvの散乱線量が記録された。また,床からの高さ100 cmが最も散乱線が大きく,次いで150,50,200 cmの順に小さくなった。ガントリー脇は最も散乱線量が小さいエリアとなった。ガントリーの100 cm四方は散乱線量が大きく,寝台から離れるに従って小さくなった。
著者
上野 博史
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では分子機械の改造・創成を実現する新規進化分子工学的スクリーニング技術の開発を行う。そのため1DNA隔離、タンパク質発現・精製、機能評価、DNA回収という進化分子工学的スクリーニングプロセスの全てをマイクロチャンバーデバイス内で実現する技術を開発する。これまでの研究から精製以外のプロセスのデバイス実装は完了している。そこで本研究では微小ドロップレット内でのタンパク質精製プロセスを組み込んだスクリーニング技術を確立する。さらに確立したスクリーニング技術を分子機械であるF1-ATPaseのスクリーニングへと拡張させ、分子機械の改造や新規機能の創成への適応を目指す。
著者
福井 翔 上野 博史 柄本 浩一 浜洲 拓 平山 和子 谷山 弘行 泉澤 康晴
出版者
日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.889-892, 2011-11-20
参考文献数
9

12歳齢,避妊雌,ゴールデンレトリーバーが頻回の全身性けいれん発作を主訴に来院した.頭部MRI検査により右側嗅葉部に腫瘤を認めた.経前頭洞開頭術により腫瘤を摘出し,病理組織検査に供したところ,組織球肉腫と診断された.ロムスチンを用いた化学療法を実施し,第195病日における頭部MRI検査では腫瘤の再増殖は認められなかった.しかしながら,第278病日に呼吸不全により死亡した.肺や四肢原発の組織球肉腫同様,頭蓋内原発の組織球肉腫に対しても外科的摘出後に化学療法を行うことで生存期間が延長する可能性が示唆された.