著者
神田 陽治 平岩 真一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.1855-1864, 1995-08-15
参考文献数
9

「場面に応じた音声情報空間」は、作業者の行動領域を分割した部分空間の集まりであり、各部分空間にはそれぞれ作業が割り当てられ、それぞれの作業の遂行に必要とされる音声情報が流される。場面に応じた音声情報空間は、共同作業用のアプリケーションの構築に生かせる次のような特徴を持っている。一人の作業者が音声情報空間を移動すれば、次々と異なる音声情報を聞くことになる。複数の作業者が同一の音声情報空間に入れば、同じ音声情報を聞くことになる。我々は、この特徴を生かす応用例として、議事録を会議の発言に遅れずに作成できる、議事録作成ツールを試作した。本議事録作成ツールでは、重要な発言はいったんボイスメモとして記録される。ついでボイスメモは、議事録作成者によりテキストメモに起こされ、議論の流れが議事録として、進行中の議論を追う形でまとめられる。ボイスメモの内容が明確である場合、ボイスメモは議事録作成者のみに聞こえれば十分である。しかしそうでない場合、ボイスメモの内容を全員が聞いて、内容を明確にする必要がある。本議事録作成ツールは、複数個の場面に応じた音声情報空間をうまく使い分けることにより、どちらの再生要求にも応じられる。試用結果を通じ、場面に応じた音声情報空間の助けにより、議事録作成者が会議の調整役として貢献できる可能性が示された。
著者
神田 陽治 渡部 勇 三末 和男 平岩 真一 増井 誠生
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.601-610, 1993-09-01
被引用文献数
25 11

GrIPS is a groupware that aims to enhance people's creative abilities by assisting them in the creation and organization of ideas. The prototype of GrIPS works on three workstations connected by LAN and supports creative meetings, such as planning meetings. The methodological basis of GrIPS is diagram drawing, which consists of two stages, the idea divergence stage and the idea convergence stage. In the first stage, the participants of the meeting are encouraged to collect ideas in a brain-storming manner. In the second stage, they create a set of cards, each of which describes a collected idea, and draw a diagram that illustrates the groupings of the cards and the connections between them. The effective presentaion to the others could be done with the final diagram. GrIPS never substitutes the computation for human creativity, but it helps human activity, providing three new functions : associative keyword retrieval, automatic diagram drawing and individual-basis sound mixing. The associative keyword retrieval lists up lots of relative words, which can be picked up as elements of ideas in the first stage. The automatic diagram drawing converts a complex diagram into an easy-to-understand diagram that has the same structure as the original in the second stage. The redrawing is done by heuristics. The individual-basis sound mixing simulates the acoustic effects of a meeting room, by mixing the voice of each participant in appropriate proportion. It aims to compensate for the loss of communicating reality due to the distributed working environment.
著者
平岩 真一 阿倍 博信 小高 俊之 野村 恭彦 横山 光男 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.777-778, 1990-03-14

現在のデータベースでは、情報が要求に対してマッチしているか否かの2値的な判断のみを行っているため、あいまいな概念(大きいとか、かっこいいなど)を含んだ要求を処理することが、非常に困難である。そのため、近年、あいまいさを含んだ検索要求が可能な、ファジィ理論を用いたデータベースがいくつか提案されている。しかし、何かを選んだり、買ったりするような場合には、より抽象的な概念による検索項目が必要となる。こうしたあいまいな検索要求に応えるため、本稿では、従来のファジィデータベースにおけるand、orの見直しと、検索項目の生成について提案する。