著者
高桑 康雄 平沢 茂
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
視聴覚教育研究 (ISSN:03867714)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.39-54, 1980

学校において,教育メディアの効率的な管理・利用を目ざして,学校では校内教材センターを設けるべきである。一方,地域における教育機関や教育関係者が教育メディアを利用するために視聴覚教育関係者の間では地域教材センターが構想されている。また,地域に住む人々は誰でも望むときにこれらのメディアを利用して学習しうることを期待している。地域教材センターは戦後各地に設けられた視聴覚ライブラリーを拡充することによって実現されるように思われる。しかし,視聴覚ライブラリーに関する調査や統計によれば,それが多くの問題を抱えていることは明らかである。本研究は,利用者の視点による観察報告を分析することによって,視聴覚ライブラリーが直面する問題を解明することを目的とする。そこで,我々は,大学の学生に任意の視聴覚ライブラリーを訪問し,観察し,その結果を感想文として提出することを課した。感想文の総数は266。得られたキー・ワードはK-J法によって分類・整理した。291の有効なキー・ワードは図1.のように整理される。これによつて得られる結論は次のようになる。(1)最も中心的な問題は,視聴覚ライブラリーに優秀な専門職員,その他の職員を配置する必要があること。(2)視聴覚ライブラリーを設置し,維持するためには十分な予算が確保されるべきこと。
著者
平沢 茂
出版者
文教大学
雑誌
教育研究所紀要 (ISSN:09189122)
巻号頁・発行日
no.12, pp.33-36, 2003

日本における学力低下論争の最大の問題は、今、子供たちに共通に修得させなければならない学力(共通基礎学力)とは何かについての展望を欠いていることである。この根源的な問いを明らかにしないままで、学力が低下すると騒ぎまわるのは、一種の「狼少年」現象と言ってよい。今求められる学力の本質は何か、共通基礎学力とは何かについて考察する。