著者
田中 莉沙子 重國 聖羅 松田 清香 小林 千尋 森 晃 平田 孝道
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.380, 2017

<p>近年注目を集めているプラズマ医療は、多くがメカニズム不明のまま臨床応用されているのが現状である。そこで、本研究ではプラズマの創傷治癒促進作用に着目し、プラズマ照射による火傷部位の治癒メカニズム解明を目指す。先行研究では、大気圧プラズマは活性酸素種(ROS)を生成することや、軽度の酸化ストレスは細胞の増殖を促進することが報告されており、プラズマ照射が火傷の治癒を促すメカニズムには、酸化ストレスが大きく関与している可能性が示唆される。これらのことを踏まえ、本研究ではまず、ラットの背面に人為的に作製した火傷部位において、酸化ストレスマーカーであるスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)活性を測定した。これにより、化学的に不安定で反応性が高いため生体内での測定が極めて困難であるROSを、半定量的に測定することが出来る。今回は、プラズマ照射時と未照射時それぞれについてSOD活性の違いを比較、検討した結果を中心に報告する。</p>
著者
村田 茂 森 晃 和多田 雅哉 平田 孝道 筒井 千尋 近藤 朱音 高橋 玄宇
出版者
The Japan Society of Applied Electromagnetics and Mechanics
雑誌
日本AEM学会誌 (ISSN:09194452)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.260-265, 2013 (Released:2014-02-25)
参考文献数
6

Traditional ways of using plasma for medical application are blood coagulation and sterilization and etc. Recently, plasma has been used for medical treatment at Drexel University in USA. In their study, sever burn has been treated by using plasma irradiation. If plasma medicine is established, it is possible to start new regenerative medicine. They study therapies by using plasma irradiation, but the examination of safety for living body is not enough. Therefore, in this study, I investigate the effect of plasma irradiation treatment for the living body. The first step of my study, I report the changing of the Cardiovascular System by plasma inhalation.
著者
平田 孝道
出版者
東北大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1994

申請備品である直流電源装置、温度調整器、電子天秤が納入されてから、C_<60>プラズマに関する実験を行った。その結果、以下に述べる結果を得ている。(1)接触電離カリウムプラズマへのC_<60>導入量(昇華用オ-ブンへのC_<60>塗布量)とC_<60>プラズマ生成時間の一部定量化を行った。さらにC_<60>の昇華温度を微調整することによって長寿命かつ安定したC_<60>プラズマの生成・制御が可能になった。(2)プラズマ中の終端電極に取り付けたオメガトロン型質量分析器により、C_<60>プラズマ中のイオン種の分析を行った結果、K^+、C_<60>^-イオンの検出に成功した。さらにオメガトロンの入射、背面及び側面電極へ印加する直流バイアス電圧の微調整によって、高感度かつ高精度のイオン種分析が可能になり、C_<60>^-イオン信号と負イオン交換率との相関関係が明らかになった。(3)C_<60>プラズマ中にシリコン及びガラス基板を設置し、基板バイアスに対するC_<60>プラズマ膜の電気伝導度変化を調べた結果、10^<-2>〜10^<+6>(Ω・cm)の広範囲にわたって膜の電気伝導度を制御することに成功した。また基板バイアスによってC_<60>とカリウムの入射比率を自由に制御することにより、特異な性質を有する膜を生成させることも可能になった。この結果に関しては、赤外吸収分光法による光学的測定及びX線回折による結晶性分析などとの定性的一致を得ている。今後の研究展開としては、高真空かつ強磁場中でのイオン種の“その場"測定及び成膜実験を考えている。