著者
沼 晃介 平田 敏之 濱崎 雅弘 大向一輝 市瀬龍太郎 武田 英明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.85-97, 2007-01-15
被引用文献数
10

本論文では,学術会議における参加者の活動の振り返り支援ならびに参加者間のコミュニケーションの支援を目的とした,Weblog コンテンツの作成および共有システムActionLog について述べる.ActionLog とは,個人の行動の履歴に基づきユーザのWeblog 上に位置や発表,周囲にいる人などのコンテキストを付加したコンテンツのドラフト(草稿)を自動的に生成するシステムである.行動をドラフトとしてユーザに提示することにより,ユーザが自身の活動を振り返り,その理解を深めることを支援する.生成されたドラフトはユーザの意思により編集,公開され,公開されたコンテンツはコンテキストをもとに閲覧される.エントリは,ユーザの実世界での行動に関する情報とユーザ自身の記述した主観をともなうコンテンツからなり,ユーザの体験を表しているといえる.こうしてコンテキストを共有するユーザ同士の体験の共有とコミュニケーションを促す.我々はActionLog を,第19 回人工知能学会全国大会において大会支援システムの1 つとして実装,運用した.この実装では,他の学会支援システムと連携することによってユーザの行動を取得した.運用の結果,提案システムが参加者の振り返りならびにコミュニケーションの手段として,期待した効果を果たしたことを確かめた.In this research, we propose a system called ActionLog which supports authoring and sharing Weblog contents for the purposes of support on reviewing and support on communicating in academic conferences. ActionLog collects users' actions from other information systems placed at a conference site, and automatically generates drafts of the Weblog contents based on the contexts of the actions. Users can edit and publish entries according to their will. We implemented and applied the system on an academic conference as a field test. The result shows that the system was used both for reviewing their activities and for communicating other participants.
著者
平田 敏之 國藤 進
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.34, pp.7-12, 2006-03-23
被引用文献数
2

近年の情報科学技術の進歩は我々を時間と場所の制約から解放しつつある.さらに近年,位置情報などの個人情報を共有することによりユーザのプレゼンス情報を共有し,適切な通信手段を提供するシステムの研究が盛んにおこなわれている.しかしながらこれらの既存のシステムでは, 現在のユーザのプレゼンス情報や適切な通信手段を知ることはできるが,その情報が必ずしもユーザが望むプレゼンス情報でないことがある.そこで,我々はユーザのプレゼンス情報の変化をトリガとしたメッセージングシステムを提案する.本システムにより,従来非同期だったために発生しなかったコミュニケーションを支援することが可能になるが考えられる.In recent years, the advancement of information science has been promoting decentralization of our working surroundings and asynchronous work timings. We are able to communicate with others at any time and anywhere and are free from the restrictions of time and place. And, we have researched the information sharing system based on location information for understanding the situation of members. We are able to understand situation of other members using these system. However, there is often different from information for which we want. Therefore, we propose the messaging system using presence information. We think that this system is able to support asynchronous communication.