著者
細田 正洋 赤田 尚史 下 道國 古川 雅英 岩岡 和輝 床次 眞司
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.465-474, 2015-07-15 (Released:2015-07-28)
参考文献数
24
被引用文献数
3 4

岐阜県東濃地域において3″φ×3″NaI(Tl)シンチレーションスペクトロメータを用いた走行サーベイによって空気吸収線量率の測定を行った。逆距離荷重補間法によって東濃地域の空気吸収線量率の等値線図を作成した。土岐花崗岩及び苗木花崗岩地域の空気吸収線量率は領家帯花崗岩地域と比べて相対的に高い傾向を示した。東濃地域の6地点では,3″φ×3″NaI(Tl)シンチレーションスペクトロメータを用いて地表面から1mの高さにおけるγ線波高分布を取得した。得られたγ線波高分布の全てに134Cs及び137Csのフォトピークは観測されなかった。土岐市内の神社境内において最大で552nGy/hの空気吸収線量率,914Bq/kgの238U系列濃度が観測された。
著者
安岡 由美 川田 祐介 長濱 裕幸 大森 康孝 石川 徹夫 床次 眞司 志野木 正樹
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2008年度日本地球化学会第55回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.39, 2008 (Released:2008-09-06)

神戸薬科大学において,電離箱を用いて、大気中ラドン濃度の連続測定(1984年1月から1996年2月,1989年欠測)をしていたところ,兵庫県南部地震(1995年1月17日)前に,ラドン濃度の異常な上昇が観測された。地殻歪の変化によって,岩石・土壌中の空隙率・空隙連結度が変化し,その結果ラドン散逸量も変化したと考えられる。また,地下水中ラドン濃度や地下水湧水量の変化は,観測地点の局所的な地殻歪を反映しているのに対し,大気中ラドン濃度変化は,ある程度広範囲の平均的な地殻歪変化を反映している。さらに,大気中ラドン濃度の変動パターンは臨界モデル式で回帰することができる。以上のことから,大気中ラドン濃度変化は,地震前兆の観測項目として有用だといえる。
著者
床次 眞司 古川 雅英 石川 徹夫 赤田 尚史 秋葉 澄伯 Saidou
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

アフリカは地下金属資源が豊富にある。その中でもウラン鉱山は、原子力発電に必要な原料であるウランを産出する。その鉱山で働く作業者は放射線のリスクにさらされているため、十分な管理が必要とされる。さらに、その鉱山周辺で生活を営む住民も少なからず放射線被ばくの可能性がある。本研究では、未だに公表されていないアフリカのカメルーンに所在するウラン鉱山周辺地域での住民に対する放射線被ばく線量調査を実施した。外部被ばく評価では、走行サーベイを実施して地域分布を調べた。内部被ばく評価では、吸入摂取と経口摂取による線量を調べた。吸入摂取による線量は世界平均の2倍程度、経口摂取による線量は2倍から7倍程度であった。