著者
古川 雅英 赤田 尚史 卓 維海 郭 秋菊 楢崎 幸範 床次 眞司
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.306-312, 2005 (Released:2007-01-12)
参考文献数
19
被引用文献数
2

In order to investigate the characteristics on natural radioactivity of loess, desert sand and eolian dust origin soil distributed in East Asia, analyses for 238U, 232Th and 40K concentrations by ICP-MS and ICP-AES, and for major chemical composition, SiO2, Al2O3, K2O, etc., by XRF have been performed on 48 samples collected from the wide area of China and three prefectures of Japan. The results for loess samples indicated that the concentrations of natural radioactive elements and major chemical composition are almost homogeneous over Chinese Loess Plateau. Also the results suggested that the basic material of the red soils developed on Quaternary limestone in Okinawa prefecture, southwestern part of Japan, is not weathering residual from the base rock, but the eolian dust from the high background radiation area in the southeastern part of China. These observations could give important keys to understand the origin place of the eolian dust in East Asia during the Quaternary.
著者
仲宗根 峻也 石津 裕二 池本 憲弘 城間 吉貴 赤田 尚史 田中 将裕 古川 雅英
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.65-71, 2018
被引用文献数
1

In this study, to estimate the recent tritium concentration and its variation with latitude and time in Japan, environmental water samples were taken monthly from June 2014 to October 2016 in Okinawa Island, subtropical region of Japan. The inland water samples were taken from two springs and the drop water samples were taken in a limestone cave. The samples were distilled to remove impurities and then electrolysed using electrolytic enrichment system. Each of the enrichment samples was mixed with the liquid scintillation cocktail, and the tritium concentration was measured with a low background liquid scintillation counter. Arithmetic mean &plusmn; standard deviation for the tritium concentration of Morinokawa (spring water), Kakinohanahikawa (spring water) and Gyokusendo (cave drop water) samples were estimated to be 0.13 &plusmn; 0.04 Bq L<sup>-1</sup>, 0.12 &plusmn; 0.03 Bq L<sup>-1</sup> and 0.13 &plusmn; 0.03 Bq L<sup>-1</sup>, respectively. The comparison between these results and reported data suggested that the latitude effect is one of factors in the relatively low tritium concentration observed in Okinawa Island.
著者
細田 正洋 赤田 尚史 下 道國 古川 雅英 岩岡 和輝 床次 眞司
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.465-474, 2015-07-15 (Released:2015-07-28)
参考文献数
24
被引用文献数
3 4

岐阜県東濃地域において3″φ×3″NaI(Tl)シンチレーションスペクトロメータを用いた走行サーベイによって空気吸収線量率の測定を行った。逆距離荷重補間法によって東濃地域の空気吸収線量率の等値線図を作成した。土岐花崗岩及び苗木花崗岩地域の空気吸収線量率は領家帯花崗岩地域と比べて相対的に高い傾向を示した。東濃地域の6地点では,3″φ×3″NaI(Tl)シンチレーションスペクトロメータを用いて地表面から1mの高さにおけるγ線波高分布を取得した。得られたγ線波高分布の全てに134Cs及び137Csのフォトピークは観測されなかった。土岐市内の神社境内において最大で552nGy/hの空気吸収線量率,914Bq/kgの238U系列濃度が観測された。
著者
床次 眞司 古川 雅英 石川 徹夫 赤田 尚史 秋葉 澄伯 Saidou
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

アフリカは地下金属資源が豊富にある。その中でもウラン鉱山は、原子力発電に必要な原料であるウランを産出する。その鉱山で働く作業者は放射線のリスクにさらされているため、十分な管理が必要とされる。さらに、その鉱山周辺で生活を営む住民も少なからず放射線被ばくの可能性がある。本研究では、未だに公表されていないアフリカのカメルーンに所在するウラン鉱山周辺地域での住民に対する放射線被ばく線量調査を実施した。外部被ばく評価では、走行サーベイを実施して地域分布を調べた。内部被ばく評価では、吸入摂取と経口摂取による線量を調べた。吸入摂取による線量は世界平均の2倍程度、経口摂取による線量は2倍から7倍程度であった。
著者
赤田 尚史 柳澤 文孝 本山 玲美 川端 明子 上田 晃
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 : 日本雪氷協會雜誌 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.173-184, 2002-03-15
被引用文献数
9 4

冬季に,日本海側を中心に湿性降下物中に含まれる非海塩性硫酸イオン濃度が増加する現象が見られ,その原因として中国から冬季北西季節風によって硫黄化合物が輸送されてきていると言われている.その現象を明らかにするために,日本各地の湿性降下物に含まれる非海塩性硫酸イオンの硫黄同位体比を測定した.その結果,硫黄同位体比は各地とも夏に低く,冬に高いという季節変化を示した.しかし,冬季の高い硫黄同位体比に違いが見られた.そこで高層天気図を用いた流跡線解析と東アジア地域で産出・使用されている化石燃料の硫黄同位体比から硫黄同位体比の違いを検討した.中国では北部ほど高い同位体比を持った石炭が燃料として使用されていることから,冬季北日本には中国北部からロシア極東地域で排出された高い同位体比の石炭燃焼起源硫黄酸化物が輸送され,また西南日本には朝鮮半島付近から中国中部及び南部で排出されたものが混合して,同位体比が平均化されて輸送されてくることが推定できた.