著者
廉田 浩 若谷 彰良
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.230, pp.9-16, 2006-09-02
被引用文献数
4

横顔を含む被検査画像中の顔をテンプレートマッチングにより検出する手法の検討を行う.顔部品を含むセグメントに分かれた顔テンプレートを作成し,これと被検査画像双方に対して二次元Harr-like変換の特徴抽出を行い,相関強度と顔検出率および検出正誤率との関係を評価する.顔テンプレート集合は,正面向き左右45°左右90°の5方向を作成する.テンプレート枚数を減らし処理時間を短縮するため,テンプレート集合のグルーピングを行い,各グループ代表を選ぶことで元の約1/4のコンパクト集合を生成する.これを使って各方向単独の検出特性と,5方向を統合したテンプレートによる検出特性と顔の向きの識別特性を測定する.各方向単独の検出特性では,正面向き,左右45°に関しては適切な閾値を設定すれば比較的高い顔検出率と低い誤検出率が実現できるが,左右90°ではこの特性が劣っている.また,顔の向きの識別に関しては,1〜数%の誤り率の範囲で識別可能である.処理時間の更なる短縮や総合的な顔検出系の性能についても議論する.
著者
谷 卓哉 長谷川 浩司 坂本 博康 坂田 年男 廉田 浩 福島 重廣
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.52-64, 2010-02-15 (Released:2010-05-21)
参考文献数
16
被引用文献数
2 1 1

本論文は正準相関分析を用いて顔表情画像から感情の程度を測定する手法を提案する.ここでは,顔表情のグレースケール画像およびその表情・感情を主観評価した値(快-不快および覚醒-沈静)との2種類の変量間における正準相関を分析する.顔表情画像に対する人の視線の動きから求めた注視特性を,本測定法の加重関数として組み込み,その有効性を述べる.また,画像のサンプル数の不足から生じる非正則な共分散データの場合,その情報を効率的に分析するために,中間変数を導入した正準相関分析の分解手法を提案する.また,ガウスカーネルによる非線形カーネル正準相関分析の効果について,線形の正準相関分析と比較し,その有効性を示す.男性と女性に分けた顔表情画像データベースに対して Leave-One-Out法による数値実験を行った結果と動画像に対する測定実験を行った結果を示すことにより,本提案法の有効性を示す.