著者
坂本 博康 坂田 年男 井上 光平 浦濱 喜一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.93, pp.135-142, 2006-09-09
被引用文献数
3

人の快・不快などの感情や気分を簡便に計測したいという要望はいろいろな分野から出されている.本報告は,人の単一の感情や気分が直接的に顔の表情に表れている場合について,顔画像の正準相関分析法を用いて計測する方法を提案している.本方法の顔画像の取扱い手法には,固有顔と同列のimage-basedの方法を用い,これに人が顔画像を観察する際の注視特性を組み込んだ方法を利用する.また,人の感情および表情のモデルにはラッセルの感情円環モデルを採用し,不快一快および沈静一覚醒の2座標軸で各顔画像を主観評価したデータを用いる.女性22名の4種類(笑,怒,泣,鷲)の表情を含む顔画像のデータベースを用いて行った数値実験結果を示し,本提案手法の有効性を述べる.A convenient measuring method for human's feeling or affect of comfortableness and/or uncomfortableness is required from various fields of research, manufacturing and business. This report discusses a measuring method based on the canonical correlation analysis scheme under the assumption that one's feeling or affect is directly reveals on his/hers facial expression. Our image processing technique is an image-based method like eigenface method, enhanced by eyes' gazing property upon human faces. Employing Russel's circumplex model of affect as a model of facial expression, each facial image is subjectively evaluated on the two coordinates of un-comfortableness -comfortableness and composure- excitement. We show results of numerical experiments carried out by using facial expression database of 22 female subjects covering four affections including joy, anger, sadness and surprise, and describe availability of the proposed method.
著者
谷 卓哉 長谷川 浩司 坂本 博康 坂田 年男 廉田 浩 福島 重廣
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.52-64, 2010-02-15 (Released:2010-05-21)
参考文献数
16
被引用文献数
2 1 1

本論文は正準相関分析を用いて顔表情画像から感情の程度を測定する手法を提案する.ここでは,顔表情のグレースケール画像およびその表情・感情を主観評価した値(快-不快および覚醒-沈静)との2種類の変量間における正準相関を分析する.顔表情画像に対する人の視線の動きから求めた注視特性を,本測定法の加重関数として組み込み,その有効性を述べる.また,画像のサンプル数の不足から生じる非正則な共分散データの場合,その情報を効率的に分析するために,中間変数を導入した正準相関分析の分解手法を提案する.また,ガウスカーネルによる非線形カーネル正準相関分析の効果について,線形の正準相関分析と比較し,その有効性を示す.男性と女性に分けた顔表情画像データベースに対して Leave-One-Out法による数値実験を行った結果と動画像に対する測定実験を行った結果を示すことにより,本提案法の有効性を示す.