著者
幸田 良介 虎谷 卓哉 辻野 智之
出版者
地方独立行政法人 大阪府立環境農林水産総合研究所
雑誌
大阪府立環境農林水産総合研究所研究報告 (ISSN:21886040)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.15-19, 2014 (Released:2020-04-02)

シカによる森林植生被害状況を広域的に把握するために,森林下層植生の植被率とシカによる採食痕跡の有無を調査し,IDW法を用いて下層植生衰退度の空間分布図を作成した.下層植生衰退度の区分結果は他の森林構成要素への被害状況と有意な相関関係を示しており,シカによる森林植生への被害指標として妥当であると考えられた.下層植生衰退度には地域差が見られ,概ねシカ目撃効率の高い地域で衰退度も高くなっていた.大阪府では今のところ極端に高い衰退度の地域は認められないものの,シカ生息密度の増加傾向が継続していることから,モニタリングの継続が必要だと考えられた.今後はシカ密度分布状況をより詳細に把握し,下層植生衰退度とシカ密度の関係を定量的に評価していくことが求められる.
著者
谷 卓哉 長谷川 浩司 坂本 博康 坂田 年男 廉田 浩 福島 重廣
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.52-64, 2010-02-15 (Released:2010-05-21)
参考文献数
16
被引用文献数
2 1 1

本論文は正準相関分析を用いて顔表情画像から感情の程度を測定する手法を提案する.ここでは,顔表情のグレースケール画像およびその表情・感情を主観評価した値(快-不快および覚醒-沈静)との2種類の変量間における正準相関を分析する.顔表情画像に対する人の視線の動きから求めた注視特性を,本測定法の加重関数として組み込み,その有効性を述べる.また,画像のサンプル数の不足から生じる非正則な共分散データの場合,その情報を効率的に分析するために,中間変数を導入した正準相関分析の分解手法を提案する.また,ガウスカーネルによる非線形カーネル正準相関分析の効果について,線形の正準相関分析と比較し,その有効性を示す.男性と女性に分けた顔表情画像データベースに対して Leave-One-Out法による数値実験を行った結果と動画像に対する測定実験を行った結果を示すことにより,本提案法の有効性を示す.