- 著者
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引地 宏
田中 信行
- 出版者
- 公益社団法人 日本化学会
- 雑誌
- 日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
- 巻号頁・発行日
- vol.88, no.11, pp.1154-1157, 1967-11-10 (Released:2011-05-30)
- 参考文献数
- 15
滴下水銀電極におけるヘキサアンミンクロム (III) イオンの一電子還元波は, マンガン (II) イオンおよびマンガン (II) -オキシエチルエチレンジアミン三酢酸 (HEDTAと略記) 錯体が存在するとき, 2段に分裂する。これはつぎのような電極反応[Cr (NH3) 6]3++e→Cr2+aq+6NH3MnX-+jH+⇔Mn2+aq+HjX (3-j)-Cr2+aq+HjX(3-J)-〓+jH+(j=0, 1)CrX-→CrX+eに基づくものであるが, その第1波の限界電流値は適当な条件では, クロム (II) イオンとHEDTAとの錯形成反応の速度に依存する。水銀滴1滴間の電流-時間曲線を測定し, その結果を解析することにより, 25℃, μ=1, ρH4. 1~5. 1における正反応の速度定数 k+X, k+HXとして, k+X=5.7x 1010 and k+HX=1. 2×105l・mol-1・sec-1の値を得た。