著者
畠 俊郎 川崎 了 菊池 喜昭 森川 嘉之 水谷 崇亮 金田 一広
出版者
富山県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

沿岸域における社会基盤施設を対象とし,微生物機能の活用により強度増進・遮水性向上および自己修復効果を得る新しい維持管理・機能更新技術について検討を行った。国内外でのビーチロックを対象とした現地調査と,人工ビーチロック形成試験から以下の結果が得られた。1)ビーチロックのセメント物質としてカルシウム,マグネシウム,シリカおよび鉄が期待できる。2)海域由来のSporosarcina aquimarinaを用いることで,砂地盤の強度増進効果と液状化被害抑制が期待できる.
著者
井原 壮 菊池 喜昭 野田 翔兵 永井 裕之 龍岡 文夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.22-00253, 2023 (Released:2023-03-20)
参考文献数
19

大粒径土粒子を含む現場盛土材の締固め特性を得るには,現場盛土材を用いた大型締固め試験が必要であるが,その実施には多くの制約がある.このため,大粒径土粒子を除去した試料で室内締固め試験を実施し,得られた乾燥密度をWalker-Holtz式(W&H式)で補正して大粒径土粒子を含む盛土材の締固め密度を推定するのが一般的である.しかし,W&H式の補正方法では除去した土粒子の重量比率が大きくなるほど推定誤差が大きくなる.本研究では,複数の盛土材をせん頭粒度調整により最大粒径を変化させて室内締固め試験を実施した.その結果,W&H式の推定誤差には,細粒分含有率と礫分の粒子形状の影響が大きいことがわかった.また,W&H式を補正して,大粒径土粒子を含む盛土材の締固め密度を予測する方法を提案した.
著者
中野 敏彦 宮田 正史 清宮 理 菊池 喜昭 岩波 光保 下迫 健一郎 鈴木 高二朗
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_312-I_317, 2018 (Released:2018-09-12)
参考文献数
6

旺盛な需要が見込まれる開発途上国のインフラ整備に対応して,インフラの品質を確保し,日本のインフラ輸出に寄与するため,技術基準の整備が重要である.一方,日本の港湾設計基準は,国内基準の進化により途上国で求められる技術水準や自然条件との相違が大きくなる傾向にあり,そのままでは途上国での適用・普及が難しくなっている.このため,日本の港湾設計基準を相手国の自然条件等の事情に合わせて調整した上で,相手国の基準として利用してもらうという新しいアプローチが重要である. 本研究では,日本とベトナムとの間で行われたベトナムの港湾の新しい国家技術基準の共同策定を通じて得られた知見から,設計において重要となる設計条件の設定方法について,潮位,波浪,地盤,耐震設計等の相違点とその調整方法と課題について論じる.
著者
喜古 真次 菊池 喜昭 兵動 太一 神戸 泉慧 引地 宏陽 平尾 隆行 竹本 誠
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_384-I_389, 2016 (Released:2016-08-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1

管理型海面廃棄物処分場跡地の高度利用を考えた場合,底面遮水基盤(粘性土地盤)を貫通するような杭の打設が必要になるものと考えられる.この場合,処分場内の一部の廃棄物,特に大きな塊やひも状の廃棄物が,杭の打設に伴って連れ込まれることが現地施工において懸念されている.そこで本研究では,杭の先端形状を変えることで廃棄物の連れ込み状況が変化するのではないかと考え,遮水基盤上の廃棄物層を模擬した地盤に先端形状の異なる模型杭を貫入することで,各先端形状の杭を貫入した時の廃棄物の連込み状況を確認した.実験結果から,杭先端の内側を細くした形状が塊状の廃棄物の連込み抑制に効果があることがわかった.ひも状の廃棄物に対しては,杭の実質部の先端面積を狭くすることが効果的であると考えられるが,実験結果には明確な差が認められなかった.