著者
加藤 雅也 張 嵐翠 馬 剛 本橋 令子
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

「回青(かいせい)」とはカンキツ特有の現象であり、樹上で一旦成熟した橙色の果実が緑色の果実へと戻る現象である。本研究課題では、「回青」の認められるカンキツ果実における二次代謝産物および果実品質に関わる糖、有機酸、栄養成分の代謝変動を調査し、「回青」現象の発生や果実成熟を調節する遺伝子を同定する。以上のような研究を行うことにより、カンキツ果実における「回青」現象の発生メカニズムを解明し、カンキツ果実の成熟を制御する栽培および収穫後の技術の開発に繋げる。
著者
張 嵐
出版者
The Kantoh Sociological Society
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.23, pp.106-117, 2010-08-30 (Released:2015-06-12)
参考文献数
10

In this paper, we examine the motivation of Chinese foster parents for adopting the “Japanese war orphans left in China” as well as the reality of their lives and their feelings toward these orphans. The framework of the Life-Story methodology is employed in the present investigation. The term “Japanese war orphans left in China” refers to the Japanese children left behind in China as orphans by their parents repatriating to Japan in the aftermath of World War II. Some survived because they were adopted and reared by Chinese foster parents. Almost 90% of these orphans have returned and settled in Japan. In contemporary Japan, however, few people recognize the existence of the Chinese foster parents. The present investigation sheds light on the following aspects concerning these parents: why did they help the children belonging to their enemy country, what are their every-day lives, and what do they feel when they sent the orphans back to Japan.
著者
神岡 太郎 細谷 竜一 張 嵐
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2006年度春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.41, 2006 (Released:2007-08-10)

日本のソフトウェア開発の大きな特徴の一つは、開発の前工程では要求仕様や設計に曖昧性を残しつつ、後工程へと進むにつれて最適な設計を前・後工程の開発チーム間で調整を行いながら実施する「刷り合わせ型ソフトウェア開発」にある。この開発スタイルには長所と短所あるが、日本のユーザ企業を対象とした業務系アプリケーションの開発においては、避けて通れないという側面がある。近年急速にすすめられている中国でのオフショア開発においても、この刷り合わせ型ソフトウェア開発が適用されており、それがオフショア開発であるがために生じる言語や文化の差を背景に、開発過程におけるコミュニケーション量増加をはじめとする様々な課題を引き起こしている。
著者
大村 三男 張 嵐翠
出版者
静岡大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

ウンシュウミカンのフラベド(果皮部分)には多量のカロテノイドが蓄積する。その中でも、'宮川早生'の枝変り品種である'山下紅早生'のフラベドには、赤色のアポカロテノイドであるβ-シトラウリンが含まれており、鮮やかな紅色を呈する。しかし、これまでβ-シトラウリンの生合成経路は不明であり、その蓄積メカニズムは解明されていない。そこで、本研究では'山下紅早生'に含まれるβ-シトラウリンの生成に関与する酵素遺伝子を単離し、その集積メカニズムを明らかにすることを目的とした。前年度まで、'山下紅早生'におけるβ-シトラウリン含量の季節変動を調査し、さらに、'宮川早生'とカロテノイド含量・組成およびカロテノイド関連遺伝子の発現の季節変化を比較した。その結果、'山下紅早生'では成熟に伴いβ-シトラウリンが急速に増大した。また、リアルタイムPCRによる遺伝子発現解析を行ったところ、このβ-シトラウリンの増大に伴い、カロテノイド代謝分解に関わる遺伝子の発現が上昇した。この遺伝子の発現上昇は、果実の成熟期間中、'宮川早生'で低いままで推移するのに対して、'山下紅早生'では増大していた。また、本年度は、このカロテノイド代謝分解のプロモーター領域の塩基配列を'山下紅早生'と'宮川早生'で比較したところ、両品種で異なる領域が認められた。また、機能解析として、ゼアキサンチンを生成する大腸菌にこのカロテノイド代謝分解に関わる遺伝子のcDNAを導入したところ、β-シトラウリンを生成した。以上の結果から、'山下紅早生'のβ-シトラウリン生成は、本研究にて単離された新規のカロテノイド代謝分解に関わる酵素遺伝子の発現上昇によることが明らかとなった。