著者
徳永 宗正 池田 学
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.22-00185, 2023 (Released:2023-01-23)
参考文献数
27

鉄道連続桁式橋りょうにおいては,高速領域の動的応答に関する知見は体系的に整理されておらず,実用的な評価法による合理的な設計が難しかった.本研究では,一般的な鉄道連続桁の構造諸元について整理,一般化し,列車通過時の連続桁の包括的な動的応答解析を実施した.連続桁のたわみの衝撃係数においては,各固有振動モードの共振速度において複数の極大点が見られ,スパン数が奇数の場合は共振速度において1次,3次モードが増幅すること,スパン数が偶数の場合は共振速度において2次モードが増幅すること,スパン数およびスパン長の増加とともに励起される固有振動モードが不明確となり,列車速度が400km/h程度以下の領域ではたわみの衝撃係数は減少する傾向にあることなどを示した.さらに連続桁の動的応答特性を踏まえた衝撃係数の簡易評価法を提案し,400km/hまでの領域における妥当性を示した.
著者
徳永 宗正 曽我部 正道 後藤 恵一 山東 徹生 玉井 真一 小野 潔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.392-409, 2013 (Released:2013-08-20)
参考文献数
18
被引用文献数
1

近年高速鉄道で採用の多い背の高い防音壁は,固有振動数が低く,従来支配的な設計要因とはならなかった列車風圧との共振による動的増幅が懸念された.本論文では,動的応答増幅を考慮した防音壁の設計法の提案を目的に,測定・数値解析に基づく検討を行った.列車通過時の防音壁の応答において,200km/h以下では列車荷重による応答が支配的となる一方,列車速度200km/h以上では列車風圧による応答が90%以上を占め,設計においては列車風圧のみを考慮すればよいこと,列車風圧による防音壁の応答は,列車風圧パルスと固有振動モードによる共振効果,後尾部パルスの重畳効果により増幅されること等を解明した.さらに,列車通過時の防音壁の動的応答を一般化し,防音壁の設計法として,シミュレーションによる手法と簡易法を提案した.