著者
斉藤 太郎
出版者
桜花学園大学
雑誌
桜花学園大学研究紀要 (ISSN:13447459)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.59-67, 2002-03-31

昭和戦前期政策として進められた「教学刷新」の動きは「知の再編」を目指したものといわれているが,日本教育史研究日本教育史認識の課題・方法においてはどのような「刷新」的意義を持ちえたのか,その検討のための予備的考察を示した。「教育刷新」側の資料,時間的にそれ以前に示された日本教育史側の資料を対比させることによって,後者の分野に関しては「教育刷新」の「刷新」的意義に問題の余地があることを示唆した。
著者
大宮 勘一郎 香田 芳樹 和泉 雅人 フュルンケース ヨーゼフ 粂川 麻里生 斉藤 太郎 中山 豊 平田 栄一朗 縄田 雄二 川島 建太郎 大塚 直 臼井 隆一郎 桑原 聡 安川 晴基
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

現代の科学技術の進歩と発展に鑑みて、「人間」を再定義する必要は日増しに高まっているが、技術と人間との関係を近代思想として最も深く考え続けたのはドイツ思想であると言ってよい。本研究プロジェクトは、そのようなドイツの思想史に様々な角度から切り込んでゆくことにより、従来の人間観のどこが妥当性を失い、どの部分が維持・救出可能であるかを明らかにする作業に貢献をなし得たと考える。3回の国際シンポジウム、3回の国際ワークショップを行うことで、他文化圏の研究者らとの意見交換も活発に行い、議論を深めることができたのみならず、本プロジェクトの問題設定が国際的な広がりを持つものであることが確認できた。
著者
斉藤 太郎
出版者
桜花学園大学
雑誌
桜花学園大学研究紀要 (ISSN:13447459)
巻号頁・発行日
no.3, pp.29-40, 2000

本稿は「綜合郷土研究 香川県」(1939)所収の県民性論にかかわる記述をとりあげ,昭和戦前期郷土教育がその課題としていたとされてきた愛郷心(郷土愛)・愛国心の育成という問題を認識の面から検討しようとした。綜合郷土研究は国の郷土教育推進策の一環として進められたものであったが,それにもかかわらず,県民性にかかわる記述は,愛郷心,愛国心の問題に関する当事者の認識には,検討されるべき問題のあることを示すものであった。このことについて,調査項目となっていた「愛郷心」把握をめぐって検討した。