著者
喜久田 嘉郎 斉藤 渉 岡澤 養三
出版者
Japanese Society for Plant Cell and Molecular Biology
雑誌
植物組織培養 (ISSN:02895773)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.18-21, 1984 (Released:2010-04-30)
参考文献数
8
被引用文献数
2 5

ジャガイモ (品種メイクイン薯) を用いて, 高い生存率と分裂活性をもつ葉肉プロトプラストを無菌茎葉培養より単離・培養する方法を開発した。単離したプロトプラストは適当な培地で暗所25℃に培養すると, 48時間以内に細胞壁を再生し, 72~96時間後にDNA合成を開始した。その後, 細胞分裂を開始しカルスを形成した。細胞分裂の開始誘導には0.5mg/lのNAAと1.0mg/lのゼアチンが最も効果的であった。形成したカルスを0.1mg/lIAAと1.0mg/lのゼアチンを含む適当な培地に照度4,000lux, 20℃で培養すると茎葉分化が認められた。
著者
小林 省蔵 大河原 敏文 斉藤 渉 中村 ゆり 大村 三男
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.453-458, 1997-12-15
参考文献数
21
被引用文献数
2 20

細胞融合により3倍体を作出する目的で, '十万'ウンシュウ, '大三島'ネーブルオレンジおよび'トロビタ'スイートオレンジの珠心起源カルスのプロトプラストとクレメンティンの半数体 (No. 1およびNo. 2)の葉肉起源のプロトプラストを, 3組合せ (ウンシュウ+半数体No. 1, ネーブルオレンジ+半数体No. 2およびスイートオレンジ+半数体No. 1) で電気的に融合させた.得られた植物体の根端細胞の染色体数調査を行ったところ, 2倍体 (2n=18) と3倍体 (2n=27) が混在したが, いずれの組合せにおいても3倍体が存在した. これら植物体についてRAPD法により雑種性を調査したところ, 3倍体はいずれも両親に特異的なバンドの両方を含んでおり, 体細胞雑種個体であることが確認された.