著者
樫野 いく子 溝上 哲也 由田 克士 上西 一弘 長谷川 祐子 斉藤 裕子 青柳 清治 倉貫 早智 中村 丁次
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.445-450, 2018 (Released:2018-07-26)
参考文献数
12

国民一人ひとりが健康的な食品を特定し、選択することは容易ではない。近年、栄養素密度に基づき食品をランク付けする栄養プロファイリングモデルが各国で開発されている。しかし、わが国ではこのような概念による食品の評価は十分に行われていない。そこで、日本食品標準成分表2015年版に掲載された食品を対象に食品のランク付けを行った。積極的な摂取が推奨される9つの栄養素と、摂取量を制限すべき3つの栄養素を用いて高栄養素食品指数9.3 Nutrient-rich food index 9.3(NRF9.3)を各食品100kcal当たりで算出した。その結果、藻類、野菜類、きのこ類、豆類の食品群順にNRF9.3が高かった。また、同食品群内でも栄養価の高い食品と栄養価の低い食品を区別することができた。食品を購入する際に、栄養価のより高い食品を選択する、あるいは同食品群内で代替食品を選択するにあたり、本指数を参照することは有用であるかもしれない。